ミレニアル世代の旗手たち 徳力基彦インタビュー企画 #21

スマニューで西口一希氏の部下に。山崎佑介氏が得た、視座の高さとPLへの覚悟

 

「“顧客起点”は、サムの影響だよ」


徳力 山崎さんは当時、どのようにチームに貢献しようとされたのですか。

山崎 正しい戦略にはメッセージがあると思います。例えば、西口さんから乃木坂46のブログやニュースが読める乃木坂46チャンネルの構想を聞いた瞬間に「確かにまとまっている場所がない」「今までと違うユーザー層が反応しそう」など、様々な利用シーンが想像できました。

私がすぐできることは、乃木坂46のミュージックビデオや出演している番組を全部見て、メンバーを覚えることです。どんな記事が読まれるや、他に何があったら嬉しいかなど。ファンの言葉で理想像を語れるようにしました。

こういったプロモーションは、ファンにどう思われるかがカギです。ファンから「白石さんが、なんでこんなセリフを言っているの」と思われたら元も子もありません。それよりも、スマニューがメンバーを「こんなにかわいく撮ってくれた」と、ファンの味方だと思ってもらえれば、ブランドへの信頼度が全く変わってきますから。



徳力 じゃあ、テレビCMに芸人の千鳥を起用したときも。

山崎 はい。ネタを全部見たと思います。

徳力 最終的には、西口さんからも信頼されていましたよね。評価されたと感じた瞬間は、ありましたか。

山崎 はい。僕は数字にコミットするので、それこそ広告を流した番組は全部見ますし、なぜ伸びたのかを自分で考えて伝えました。そうした姿勢は評価してくれていたと思います。

あとは、西口さんから、ご著書の『顧客起点マーケティング』のタイトルの“顧客起点”は、サム(山崎さんの愛称)の影響だよ、と言われました。

徳力
 それは、すごいですね。西口さんの「山崎さんがすぐに辞めちゃう」という認識は、完全に間違っていましたね(笑)。

山崎 はい(笑)。キャラクターの軽さから、当初は数字へのコミット力に疑問を感じられたのかもしれません。



徳力 西口さんが退社された後は、山崎さんがひとりでマーケティングを担当されたんですよね。西口さんからの学びを経て、変わったと感じた面はありましたか。

山崎
 おもしろいテレビCMをつくること以前に、新しい機能を提案して需要をつくるというところまで、視野に入るようになりました。

徳力 プロダクトに関わるというのは、マーケティングの本質ですよね。

山崎 そうですね。だから、西口さんと出会う前と後では、全然違うつくり方をしています。

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