音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #20
顧客起点は、社会正義ではない。【音部で壁打ち】
短期視点で見ていないか注意が必要
「いまは会社が傾くかもしれないときなんだから、消費者中心とか言ってる場合じゃない」といった議論が出てくる場合には、ちょっと注意が必要です。
その見解は、ロジックが間違っているかもしれません。ビジネスが劣化してきているときは、多くは消費者が離れているときです。そんなときこそ、消費者中心に考えないと、根本的な劣化を止められないと思われます。
会社が傾きそうなときに、今日明日だけの“付け焼き刃”で対応しようとしている時点で、傾くことが避けられなくなるかもしれません。
短期を乗り切るためには一時的に持続的な成長を阻害しても仕方がない、という考え方をすることがあります。行動経済学的にも、人間は長期に対して短期を優先するようです。
「長期の投資を一時的に凍結して、短期の施策に使う」、あるいは「長期の商品開発を延期して、既存ブランドのテコ入れに資金と資源を回す」といったことは、賢明な判断となることがあります。
ただし、短期優先の方針が消費者の不満足やがっかり感をもたらす可能性があるならば、次回以降の購入を控えるといった結果につながるかもしれません。短期優先が消費者不満足につながらないかは、確認しておくのがいいでしょう。
後編「顧客起点を実現するための仕組み化」に続く
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