TOP PLAYER INTERVIEW #28

「ネットで露出しすぎると、タレント価値が減る」は本当か【SKY-HIインタビュー】

 

一方通行と双方向をどう使い分けるか


西谷 今日お話をお伺いして思ったのは、SKY-HIさんはコロナ禍だから、とか、SNSだから、といった決めつけ的な要素が全くないというか、それよりも状況に対して積極的に明るい面に活路を見出して上手く活用されているということです。

今ある条件の中で最善のものを生み出して、それを伝えていく。つまりクリエイターであると同時にそれを伝えるマーケターとして、SNSを上手に使っているという印象を持ちました。

SKY-HI 有難うございます。自分でつくったものが自己完結で終わらないというのは、健康的である気はしますね。ただ、それを商業的に使う場合は、クリエイターとマーケターを分けた方が、さらに健康的になると思います。

SNSはメッセージをそのまま出せて、ファンとつながれることはおそらく良いことなのですが、一方通行のところは、そのまま一方通行で、無理に双方向になる必要はないと思うんです。

ここはクリエイターから、ここはファンから、ここは相互ときれいに交通整理されれば、もっと状況は良くなります。今は渋滞と交通事故ばかりが起きている印象です。

西谷大蔵氏(右)
ALPHABOAT社長/SCデジタルメディア 取締役/住友商事 メディア事業本部メディアエンターテイメント事業部Executive Producer
電通、ウォルト・ディズニー・ジャパン、Apple (Japan)などを経て2017年より現職。キャリア前半はTV、後半はデジタルを基軸にメディア、マーケティング、広告、コンテンツに携わること20年以上。現在はALPHABOAT社でソーシャル・コンテンツ、デジタル・コンテンツなど、マーケティング・コミュニケーションの中でも新しい領域のコンテンツ制作をリード。

西谷 いきなりこういう状況になったから、みんな追い付いていないんですよね。

SKY-HI おそらく。そういう意味では、Instagramが一番理想に近いと思います。ストーリーズ機能はこちらからの一方通行だし、DMはファンの人からの一方通行で、インスタライブが相互でのやりとりの場です。

西谷 クリエイターとマーケターの役割分担やSNSの交通整理を、さらにスピードアップしてするというのは、現在のエンターテインメントにおける必要条件かもしれません。

おそらく企業も同じ課題を持っていて、自分たちで商品やサービスをつくっているという意味ではある意味で同じパッションを持って発信する「クリエイター」です。マーケティングを広告会社などと一緒に展開するときも、どこまでを自分たちでして、どこからを任せるのか、交通整理に似た課題感があるのではないかと感じました。

今日は大変刺激的なお話をたくさんお伺いできました。本当にありがとうございました。



 (編集協力:ALPHABOAT)
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