マーケティングの現場で起きているデータ分析時に陥りがちな罠 #04
外れ値には、お宝が眠る。データ分析の罠に陥らない「3つのコツ」
データの罠に陥らない「3つのコツ」
先ほどのケースを使って、3つほどコツを説明させていただければと思います。
(1)ひとつ目のコツは「ローデータを可視化する」です。
私の場合、最初に散布図や分布図を見るようにしています。これはデータサイエンティストの方であれば、皆さましていることだとは思いますが、営業やマーケティングの分析担当者の方では、されていないケースも見られます。
さて、先ほどの表で散布図を作ったものが以下の図になります。
いかがでしょうか? 平均、分散、相関係数が同じにも関わらずローデータを可視化することで学べることが多いのではないでしょうか?
例えばブランドA、B、Cであれば、確かにX軸であるテレビCMのGRPと売上シェアには正の相関がありそうです。
もしかしたら因果関係があるかもしれないという仮説が成り立ちます。一方でブランドDの場合は、GRPに関わらず、シェアがほぼ一定なので、その仮説は難しいかもしれません。
(2)2つ目のコツは、可視化した図から「パターンを見つける」です。
ブランドBを見てください。傘の柄の形のような曲線を書いています。
800GRPあたりまでは綺麗な直線を描いていますが、そのあとはGRPの伸びに関わらず、売上シェアは上がっています。であれば、何か他の要因があるかもしれません。
もしかしたら800GRPを超えたあたりから口コミが広がりやすくなり、より自分ごと化が進んで売上シェアが上がっているのかもしれません。逆に800GRP以上は要らないかもしれません。
このようにいくつかの仮説を立てることができます。マーケターは仮説を立て、検証し、再現性のある形をつくっていく力が一番必要とされる職業です。パターンを見つけることは、仮説を立てるのに非常に役立ちます。