マーケティングの現場で起きているデータ分析時に陥りがちな罠 #04
外れ値には、お宝が眠る。データ分析の罠に陥らない「3つのコツ」
まずはデータベースを蓄積できる環境をつくる
このような分析はデータベースが、まずあることが前提になります。今回の場合はシンプルな売上シェアと、テレビCMのGRP というお話しでしたが、どんな施策であったとしても、データベースをつくることが第一歩になります。
因果関係の仮説を立てるために、施策だけでなく、そのビジネスの結果が同時にあることが肝要です。そして、施策毎のレビューをするだけでなく、定期的にマクロな視点でメタ分析などをきちんと行うことで、今まで見えてなかった新たな仮説が見えてくることが経験上よくあります。
これはデジタルマーケティングの世界でも一緒です。施策ごとのレビューだけではなく、定期的なマクロな視点でのメタ分析をされていますでしょうか?
特に当社をはじめ多くのプラットフォーマーは、出稿金額とは別に調査コストをかけずに、ブランドリフトやコンバージョンリフトテストなどができます。しかし他国に比べても、日本ではまだまだ使用率が低いようです。
実際に以前、リクルートの金井統氏と一緒にご登壇させていただいた時に彼がおっしゃっていたお言葉で、今回は終わりたいと思います。
「プラットフォームを横断してつなぐデータがない以上、その解けない問題を今、解くことはやめようと考えます。現在取り組んでいることは、そのプラットフォーム内の生態系やメカニズムを理解し、カスタマーの行動理解を行い、ハックしていくこと。広告主側が、その媒体の力を引きだすマーケティングをして、最適な手法を判断することが正しいのではないかと感じます」
そのためにどうするか。FacebookやInstagramをはじめ、各プラットフォームでは媒体ごとにブランドリフトやコンバージョンリフトなどのテストが無料で解放されています。
クリエイティブの違いだけでなく、コンセプトテストの代わりにも使えるかもしれません。これらのテストを行い、データベースをつくり、定期的にメタ分析などをすることでパターンを見つけ、また外れ値を見つけながらハックしていくことが大事なのではないかと思います。
テスト&ラーンを繰り返し、データベースをつくりつつ、今回お話ししたようなデータ分析の罠を避け、3つのコツをぜひ使ってみてください。そしてその結果、マーケターとしての仮説構築力を高め、各プラットフォームでパフォーマンスを最大化するための勝ちパターンを見つけていただければ幸いです。