実務から見たビジネスマネジメント活用 #01
マーケターが学んでおきたい「オペレーションズ・マネジメント」とは何か
2020/11/24
箱詰めの前に、内容物を用意するケース
今回は「モノを箱に詰める」前のオペレーションを想像してみてください。箱に詰める前に3つの内容物を用意しなければならない場合の工程です。
それぞれ、用意するのに30分、40分、20分かかります。
この場合、真ん中の40分の内容物の準備がボトルネックです。この工程が40分かかることで、他が30分や20分で用意できたとしても工程全体で40分かかってしまいます。この工程を効率化することで生産性向上が見込めます。
このように、プロセスを可視化して、それぞれの工程で必要な時間を明示することで、ボトルネックが把握できます。
このボトルネックを改善すると、生産性が高まり、アウトプットを増やすことで売上を上げるという判断や、生産性を上げることで人件費を抑えるという判断ができます。
実際の広告事例に落とし込んで考える
次に、具体的なケースに落とし込んで見てみましょう。ここでは広告の施策策定から運用までのプロセスを例にしたいと思います。
最初の人物Aは広告主側の施策の企画担当で、Bは同じく広告主側のメディアバイイング担当です。Cは広告会社のアカウント担当、DとEは媒体管理画面を操作して広告を配信する担当です。それぞれが担当する業務と所要時間は以下の通りです。どのメンバーも同じ能力を持っているという前提で、どこがボトルネックでしょうか?
まず2番目のプロセスが、60分かかっているためボトルネックです。では、このボトルネックは、どうすれば解決できるでしょうか?
そのために施策の企画とメディア発注業務をひとつにして、パラレルに動かします。そうすると、(30分+60分)÷2となり、この工程の1案件ごとの必要時間は45分になり15分短縮され生産性向上が見込めます。
また、第二工程を細分化し、細分化されたプロセスの中でボトルネックを見つけて対処する方法もあります。仮に10分短縮ができればその分生産性向上を実現することができます。