実務から見たビジネスマネジメント活用 #01
マーケターが学んでおきたい「オペレーションズ・マネジメント」とは何か
2020/11/24
ネゴシエーションに必須。生産性を上げることの経済効果
プロセスの再設計を企画し社内ネゴシエーションを進めるにあたって「それを実現したら、いくらくらいのインパクトが出るの?」といった質問が出てくる場合があると思います。
このような質問は理にかなっており、組織を動かすにあたっては避けては通れないもの。では、どのように算出するのが良いでしょうか?
それは費用削減であれば費用を因数分解。利益であれば利益を因数分解することで算出への道筋が見えてきます。
担当者の業務工数が削減できるようであれば、例えば以下のようなアプローチでコスト削減効果を求めることができます。
コスト削減効果=削減時間(h)×時間単価×回数
時間単価=月の人件費÷営業日数÷一日の営業時間数
また、担当者の業務工数を削減し、削減された時間を売上構築に充てることで得られる効果を算出するのであれば、以下のようなアプローチも可能です。
例えば販売業で、バックオフィス業務が削減されたことを仮定します。その場合では、以下のようなアプローチで利益貢献効果を仮説立てることができます。
削減時間=接客可能時間
利益=接客可能時間÷1人あたりの接客時間×成約率×単価×利益率
※実際は「1人あたりの接客時間」の部分に、待ち時間や接客の後続業務などを考慮する必要があります。
これらのように、売上やコストなどの指標を因数分解していくと、想定よりも簡単に求められますし、思いのほか数字が集めやすかったりします。
最後に
いかにオペレーションを回せる組織をつくるか、ボトルネックを無くし業務を回せる環境を作るかによって、競争力は変わります。
マーケティング組織は工場のようにオペレーションが確立されず、担当者次第であることが多々ありますが、組織内のマーケティングオペレーションは、誰がいても効率的に回るような仕組みになっていなければなりません。
この意識を持って取り組むことが、持続的でPDCAを高速に回せるマーケティング組織を作る上で必要です。
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