コロナ禍で沖縄の観光施設をどう盛り上げるか？ 南都 大城宗直社長インタビュー

 

様々な困難に向き合いながら、たくさんの挑戦をしてきた

――沖縄の企業ならではの強みだと感じることは何でしょうか。

 観光業界として、ひとつにまとまれるところはあると思います。北海道も同様ですが、沖縄も昔から普段はライバルでも誘客のためには団結し、年間何百人という人が全国の旅行会社を回りながらアピールしてきました。

 世界中の旅行博にもよく出展しますが、沖縄はみんなできちんと足を運び、ブースを盛り上げ、海外のお客さまやエージェントの皆さまと楽しくＰＲします。他県では観光協会が広告会社に全て委託し、ポスターを貼っているだけのブースもありますが、沖縄は昔から業界として努力を続けてきているんです。

 人的ネットワークも強く、他県の人から羨ましがられます。一般的に観光業界は宿泊施設が力を持つ傾向があるのですが、沖縄は昔からホテルも施設も運輸も一緒になっていろいろな行動を起こしてきました。我われもよく御菓子御殿の紅芋タルトを持って営業に行きますし、そうした協力体制は、とてもいい効果を出していると思います。
 

 

――では、ご自身の経営者としての強みは何だと思われますか。

 どう答えればいいのか、難しいですね。ひとつは、私自身が沖縄に誇りを持ち、観光が大好きだということでしょうか。もともと施設や自然も好きですし、趣味も観光だと言えるくらいです。あとは、責任も含めていろいろなチャンスをいただいてきましたし、いい先輩にも巡り会ってきました。

 私は昔のバブル期を知らず、9.11のテロ事件やリーマンショックなどさまざまな困難の中で経営してきましたが、成長戦略の中で良い結果を出してきたと思います。

 今は、沖縄の観光は夜にすることがないという課題があるため、ナイトマーケットを開設したいと考えています。以前も夜間営業としてディナーショーを開催していたことがあったのですが、那覇からの行き帰りに道路が混雑してしまうという課題がありました。

 しかし、これから南部に新しく「東道路」という道が建設されるので、それに向けて準備をしたいと考えているところです。常にいろいろなことに挑戦していることも、私の強みなのかもしれませんね。