RYUKYU note #08後編

コロナ禍で沖縄の観光施設をどう盛り上げるか? 南都 大城宗直社長インタビュー

 

沖縄の文化を継承する事業に期待したい


――これから沖縄で事業を立ち上げたいと考えている起業家や、事業を引っ張るマーケターにメッセージをいただけますか。

 最近は、地域に愛されているけれど事業継承ができずになくなってしまったり、販路が開拓できずに縮小してしまう企業も出てきたりして、それとともに沖縄の文化が失われていることをとても残念に思っています。

 泡盛ひとつ取っても売上は減少傾向にあり、ある店は事業継承ができずに閉店してしまいました。そうした沖縄の文化として大事にされてきたものを、うまく継承できるような仕組みをつくっていってほしいですね。

 沖縄ではベンチャー企業が数多く立ち上がっていますし、大企業にも若手を温かく育てたいという気持ちがあると感じています。そういうネットワークを大事にしながら、みんながいろいろなきっかけをつくっていければいいなと思います。



――事業継承されないことが増えて、もったいないと感じることがありますね。

 そうですよね。特に観光という産業は、もともと非効率的なんですよ。そもそもサービス業自体がそうだと思うのですが、人と出会ったり、その人から地元のおいしい食べ物を紹介されたりすることで記憶に残る。そして、またあの人に会いたい、話したいと思って再び訪れるというサイクルが生まれます。

 今は古くから「めんそーれ」(いらっしゃいの意)で、観光客を受け入れてきた人たちが引退していく時代です。今後はそれを次の世代が継承し、数をこなすのではなく、きちんとハートのある接客するような場所になってほしいなと思いますね。
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