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藤原義昭氏、コメ兵での成功体験をもとに新たな挑戦へ

 リユース業界を牽引するコメ兵のマーケティングやデジタル戦略を担ってきた藤原義昭氏が、3月末で同社を退職する。1999年の入社以来、20年以上働いてきたコメ兵をなぜ辞めることにしたのか、これまでのコメ兵での取り組みと合わせて藤原氏に緊急で話を聞いた。
 

ミドル層の成長のために、ポジションを譲るべき


――「マーケティング業界では、「コメ兵と言えば、藤原さん」と言われるぐらいでしたので、退職の一報を聞いたときは驚いた人が多いと思います。なぜ、辞めるという決断をしたのですか?

  昨年10月にコメ兵がホールディングス化しました。そのタイミングで会社の将来について想像し、ミドル層のさらなる成長のためには、自分の今のポジションを譲るべきだと思うようになったんです。実は皆さんが思っている以上に、コメ兵はミドル層が成長しており、すぐにでもバトンを渡せる状態でした。

  また、それと同時に、自分が今のポジションにずっと居座ることに違和感を覚えはじめました。変な居心地の良さがあり、それが逆に気持ち悪く感じ始めていたのです。

 あと、今後、数年かけて実現しようと思っていたマーケティングの基盤づくりをコロナによって加速せざるを得ず、昨年色々なことをやり尽くしてしまった。ある種の達成感があったというのも事実です。

藤原義昭 コメ兵ホールディングス 執行役員マーケティング統括部長

――藤原さんは、次のステージで何をするのでしょうか?

 今後もBtoC企業で働きたいと思っています。戦略やデジタルを駆使することで、小売業を盛り上げていくことが自分の役目だと感じています。

 可能であれば、市場規模の大きな領域で活躍し、世の中に貢献できる仕事に就きたいと思っています。
 

コメ兵での今までを振り返って思うこと


――「コメ兵」はひと言で言うと、どのような企業でしたか?

  私がコメ兵に入社した頃、リユース業界は質屋のイメージが強く、あまり人が寄り付かない業種でした。しかし、コメ兵はその頃から「リユース」という考えがあり、イノベーティブな会社だと感じていました。

 その頃、一般的な質屋は、お金がない人が集まる「金貸し」というイメージが強かったり、待合スペースや買い取りカウンターが薄暗いというイメージを持たれたり、あまり良くありませんでした。

 そういった時代の中で、コメ兵の強みは何かを考えた結果、従来からの路線を変更し、「買い取り専門」、「ターゲットは富裕層」を打ち出して、ファッションの買い取りに特化させました。それによって、業界のなかでも大きな規模で商売ができるようになりましたね。


――入社後、はじめはどのような事をされたのでしょうか?


 コメ兵は入社すると店舗に配属されて営業担当になり、そこでスキルアップをするのが出世コースの王道です。
ただ、私は人とは違ったことをしたいという思いが強く、自ら希望したこともあって店舗勤務は1カ月だけでした。
そこからは、自分がどのように会社に貢献ができるかをいつも考えていました。


――ファッション特化以外にも、成長を後押しする取り組みは何でしたか?

 2005年に愛知県で「愛・地球博」が開催され、多くの観光客が店舗に来ました。商品を効率よく販売するために、私は大手牛丼チェーン店を参考にカウンターの構造を取り入れ、少ない人数で回転率を上げるようにしました。

 その他にも、家庭でインターネットが普及し始めた頃には、ECサイトを開設し、当時は広告販促が中心だったマーケティングをリアル店舗とデジタルの融合へと移行することにも尽力しました。

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