RYUKYU note #10後編

沖縄人気店「ステーキハウス88」、コロナ禍を乗り切る強みとは?

 

自社の強みを良く知ることが、成果につながる

 

――非常に早い段階で方向転換を決断されたのですね。そのスピードはどこからくるのですか。

 性格でしょうか。普段はのんびりしているのですが、仕事に関してはせっかちで、すぐに結論を出したがるんですよ。コロナ禍になったばかりの頃は少し様子を見ようと考える経営者も多かったと思いますが、私は見切り発車で1店舗目がオープンしないうちから2店舗目、3店舗目と交渉をしていきました。

 これでもし1店舗目の売上が悪ければ、大変なことになりますが、いけるという確信が心の中にありました。それは、自社のブランドの強みと弱みをしっかりと把握したうえで、強みを信じているからだと思います。

――スピード感があること、自社の強みと弱みを把握していること、強みに対して自信を持っているということの3つが、金城さんの経営者としての強みでもあるのかもしれませんね。コロナ禍の現在、沖縄の市場に対してどう感じておられますか。

 今は確かに厳しいときですが、新たなホテルや那覇空港の第2滑走路など、建築はどんどん進んでいます。コロナ禍で今後どうなるかは分かりませんが、再び観光が活性化すれば、沖縄にはこれまで以上にお客さまが来て、2年後には人手不足が深刻化するでしょう。だから、今のうちに採用とIT化を進めようと考えているんです。

――先ほど福岡への出店計画を進めているというお話もありましたが、県外に進出されるにあたって、沖縄の企業であることの強みと弱みは何だと思われますか。

 日本人は沖縄が好きな人が多いので、最初は沖縄というだけで注目される点が強みでしょうか。弱みは、他県に比べて県をまたぐ移動が容易ではないので、県外に拠点がないうちは管理や情報収集が大変だということですね。

 物流費も高くついてしまうので、一度に5~6店舗を出店して県外にセントラルキッチンを構えるといったことも考えなければならないと思っています。

――最後に、沖縄の若手経営者やマーケター、これから沖縄で挑戦したいと考える方々にメッセージをいただけますか。

 挑戦や投資には勇気が必要ですが、自分でそれをやらずにほかの人が成功しているのを目にすること以上に悔しいことはありません。それなら、やろうと思ったことには思いっきり挑戦し、失敗をした方がいい。失敗は終わりではなく、成功するためのものです。

 最初は失敗続きかもしれないし、いいスタートを切れたと思ってもそのあとに失敗するかもしれません。それでも絶対にやり遂げると思ったら挑戦すべきです。あとは、しっかりと戦略を練って、自分の持っている強みを理解して勝負するということですね。
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