トップマーケターがおすすめする、GWに読んで欲しい本 #01

【GWは読書】足立光、大松孝弘、音部大輔、郡司昇が選ぶ「新米マーケター」と「中堅マーケター」へのオススメ本 ①

 

クー・マーケティング・カンパニー 代表 音部大輔氏

 ベテランから初心者まで興味に応じてひろく役に立つ本①:
 『影響力の武器[第三版]』
 ロバート・B・チャルディーニ (著)
 

 知覚と認識管理を旨とするマーケティングにおいて、多くの実務家が参考にしてきた認知心理学や社会心理学の古典です。

 人の知覚や認識能力の偏り、作用の仕方などが理解できます。各章ごとに演習問題が付いているのも、理解を促す素敵な工夫です。演習問題で頭を使うのは少しばかりしんどいですが、実践してみましょう。

 ベテランから初心者まで興味に応じてひろく役に立つ本②:
 『戦術と指揮』
 松村劭 (著)
 

 日常的に上司と顔を合わせ、長い時間をともに過ごすことが減ってきました。つまり”あうんの呼吸”を醸成するのは難しくなりました。そこで、指示を出す側も受け取る側も、”あうんの呼吸”に依存しない、指示に関わるリテラシーが必要になってきたように思います。

上司の想定とは異なる状況が現場で発生したとき、自律的な問題解決ができると素敵です。指示をまって時間を浪費するとか、言われた通りに作業するだけといったことは避けたいものです。活動の目的と戦略を共有していることが必要ですが、指揮の考え方を元自衛隊陸将補の著者が、仮想の60題を通して解説しています。ビジネス以外に、シミュレーションゲーム愛好家の方々にもオススメです。
 

店舗のICT活用研究所 代表 郡司昇氏

 新卒・新米マーケター向けの本:
 『マーケティングプロフェッショナルの視点』
 音部大輔 (著)
 

 戦略とは「目的達成のための資源利用の指針」と理解することができるだけで新米マーケターにとっての計り知れない価値があります。

本質的かつ読みやすいので、初心者でも数時間で読めること。繰り返し読める一冊として良いと思います。1回読んで終わりの事例本とは違います。私のようなオッサンが読んでも再認識することは多々ありました。

 リーダー・中堅向けの本:
 『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』
 西口一希 (著)
 

 マーケティングで求められるのは「成果」です。成果を出すために必要なのは、いかに生活者の意思決定シーンで選ばれるかです。そのためには、認知を高めて、認知獲得後の選好性(プレファレンス)を高める必要があります。

 なぜか?については森岡毅氏の「確率思考の戦略論」が名著ですが、第一歩として西口氏の本がオススメです。

 理由は2つ。
 1)数学的素養がなくても理解できる
 2)購買行動の因果関係を紐解く上で、N1で深く顧客を理解しようとするプロセスが不可欠であること

 特に後者が重要です。相関関係分析はマシーンラーニングレベルのAIにやらせれば十分ですが、因果関係を紐解くにはデータ化できていない暗黙知も必要になりますので、人の仕事です。

 ~後編に続く~
 

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