音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #27

「人が育成できない」のは生まれつきではない【音部で壁打ち】

 

人材育成の要諦


 人材育成では、定期的に成果・進捗をレビューする、信頼関係を構築する、動機づけを意識するといった「HOW」について意識しがちです。「どう実行するか」はとても大事ですが、「なにを実行するか」つまり「WHAT」が曖昧だとなかなか完遂しにくいものです。

 この連載でもたびたび言及しているように、達成すべき目的を明示し、適切に再解釈するのはとても大事です。それは、人材育成でも同様です。うまく人材を育成できた(≒成長した)とは、どういう状態を意味するでしょう。つまるところ「いいマーケター」になってもらえばいいのですが、「いいマーケター」とは、どのようなプロフェッナルでしょう。プロフェッショナルは結果が大事だから、いいマーケターとは「成果を出した人」だ、などと定義していると、「選別」はできても「育成」にはつなげにくいものです。

 そこで、階層ごとに必要なスキルやコンピテンシーを明示して、「いいマーケター」の定義を明確にしておくことをオススメします。修得・確立すべきスキルやコンピテンシーが明確なら、どういったプロジェクトからどのような経験を積むべきか、明らかになると思います。鍛えている筋肉を意識することでトレーニングの効率が変化するように、獲得するスキルが明確であるほうがOJTの(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)の効果も高まります。

 同時に、教える側も指導しやすくなり、指導者間の格差も減らせます。いいマーケターが明確に定義されていることは、マーケター育成の要諦だといっても過言ではありません。CMOなど部門のリーダーがなすべき最重要の仕事のひとつであると考えます。私もいくつもの企業でつくってきました。

 人材育成に関わる際には、スキルやコンピテンシーのリストを用意してみてください。もしまだ存在しないなら、部門のリーダーたちと一緒につくってみるいい機会かもしれません。

※後編「キャリアについて」に続く

 ※連載音部で「壁打ち」の質問も募集中!音部大輔さんが皆さまからの質問に答えてくれます。 こちらでお待ちしています。  
他の連載記事:
音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録