RYUKYU note #11後編
沖縄・みたのクリエイト田野治樹社長が語る、串カツ田中との提携の次の戦略
2021/06/07
卸事業や不動産事業への進出も視野に
――時代の先読みをしているような田野さんの経営ですが、将来の展望をお聞かせください。これからは、卸事業や不動産事業を大きくしたいと思っています。飲食事業にかかる経費は、簡単に言うと人件費、原価、固定費から成り立っているのですが、社内の人に支払う人件費はともかく、社外に支払っている原価と固定費は払いすぎではないかと思っています。では、それを減らすにはどうすればいいかと自分に問いかけてみました。
原価に関しては、自社で食材を卸せば誰かにその分を支払い必要がなくなり、利益率は上がります。また、固定費は主に建物の家賃なので、不動産を自社で押さえれば、これも家賃を払う必要はなくなると考えました。だから、卸事業や不動産をやりたいんです。人材派遣事業があれば人件費も押さえることができるかも知れません。
これを、私がメインで行うのではなく裏方に回り、いま育てている織田信長たちが売上を作りにいくようになった時にはじめて実現したいと考えています。
その時は、「みたのクリエイト」という会社を何社かに分け、飲食業に関わる卸事業や不動産も含めて「みたのホールディングス」をつくろうと思います。織田信長たちは、その中で各々がやりたい分野で出店していけばいい。
居酒屋も含めた直営店舗を伸ばしたり、フランチャイズを展開したり、沖縄県民をターゲットにした料理旅館をやったり、マスターライセンスを取得しているハンバーグの「極味や」を拡大したり、やれることはたくさんあります。それを、私は卸事業と不動産事業で後ろから支えていきたいと考えているんです。
これからの時代は会社の将来あるべき姿をいま在籍する社員と一緒に描いていく、そんな経営者が増えていったら良いと思っています。
人とのつながりを見つめ直すタイミングだからこそ、社員の声やアイデアや成長を後押しする、そんな経営者でいたいです。
- 他の連載記事:
- RYUKYU note の記事一覧
- 1
- 2