本田哲也、藤原義昭 特別対談 #02
「ナラティブでなければ、顧客からも従業員からも選ばれない」 本田哲也、藤原義昭 特別対談
変革のためにこそ、自分たちを見つめ直す
――今まで紡いだお客さまとの関係のなかで、ナラティブが実現されているんですね。去年を受けて、今年の7月に開催するダイレクトアジェンダでは「biz transformation」をテーマとして掲げました。このテーマになった背景を、藤原さんから教えてもらえますか。藤原 はい、「Transformation(変革)」と言われ続けて30年くらい経っていると思いますが、コロナ禍で「本当に変わらなければいけない」と思った企業は多いと思います。
本来、会社が持っている強みやパーパスを見つめ直したり、いままでリアルでしていたことをデジタルに置き替えたり、そもそもオペレーションを変えたりなど、色々とできると思います。
そのためには、まず自分たちが何者で、何を持ちあわせているか、もう一度見つめ直す必要があります。
本田 変革と言うと、大きな変化だと認識されがちですが、それぞれの企業が今どの立ち位置にいて、どのようにしてここに辿り着いたかが重要です。ナラティブとは、脈々と続く物語なんです。
そうした本質がおざなりになり、「変わらなければいけない。DXだ!」となっているように思います。それは業務改善に近い発想で、もちろんそれ自体はやるべきですが、もっと顧客体験のほうが重要なんです。
藤原 そうですね。単純にやり方を変えているだけな気がします。
本田 はい、ツールの導入など、デジタル的な実装も大事ですが、ダイレクトマーケティング的に言うと、そもそもどういうお客さまとつながって、何を大切にしていたから、ここまでこられたのか?という問いの方が大事ですよね。
藤原 私も4月に入社してから、ユナイテッドアローズがこれまでどんなことをしてきたのか、会社の中をひっくり返して勉強しています。社内に昔からいる人は慣れてしまっていて、その価値に気付いていないんですよね。
本田 「資産化」していて、世の中に出ていないナラティブは多いように思います。今後のユナイテッドアローズの展開を楽しみにしています。
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