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イノベーション×コミュニケーション #02

閑古鳥の泣く、地方・温泉宿の復活策をトップマーケターに、勝手に考えてもらった【富永朋信】

ダイナミックプライシングも鍵になる

 ホテル・旅館は満室以上に、航空機や新幹線では満席以上に売上をあげることはできません。そのため、これらの業種では客室(客席)稼働率や一室(一席)当たり一日当たり売上などを指標にし、これらを上げるために柔軟なプライシング(ダイナミックプライシング)を行います。

 つまり満室になりそうな日がなるべく高く売り、そうでない日は値引きをしてなるべく稼働をあげる、と言うことです。
 
 このやり方は数学的、論理的には最適解だと思うのですが、利用者心理からすると若干納得感がないのではないでしょうか。空いている時の方が、一般的に快適な顧客経験が得られがちなことを考えれば尚更です。
 
 ですので、事業者はダイナミックプライシングを行うときは、利用者から見えて透明に分かりやすく見え、納得性が高い値付けをしなければならないと考えます。例えば、最高値を設定して、それを定価的な扱いにして、それ以外の価格はそこから値引きしているように見えるなど。
 
 以上、本稿では地方の旅館を題材に考察を進めて見たら、「マーケティングの普遍性」という結論になってしまいました。改めてですが、重要なのは「独自性・差別性の開発・確立」と、その「コミュニケーション」になりそうです。
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