売れるモノにはワケがある。PR目線で読み解くヒットの構造 #04
大切なのは「自分で見つけた感」 街のクリーニング店から学んだSNS時代のPR【ラウツマ 松浦隆】
ユーザーが「自分で発見した」と感じられる演出が大切
これに限らず、PRやマーケティングにおいて忘れてはならない視点は、「誰のために何をするか」です。情報を受け取る側に不快な思いをさせるのは論外ですし、耳障りのいい「数」の定義だけでクライアントを説得しようとするエージェンシーの姿勢はいかがなものかと思います。自分もPRマンの端くれとして、清く正しくSNSを活用し、クライアントの要望に応えたいと思っていますが……そう思うと、前出の女友達の「自分で見つけたお気に入りのクリーニング屋」感は参考になります。私に説明しているときの熱量といい、嬉しそうな顔といい、すでに半分ファンになっている感じでした。
相変わらず、「今だけ〇〇のサングラスが70%OFF」「〇〇の人気スニーカーが一律4000円」みたいな、ちょっと怪しげな広告が表示されることも多いSNS。そうした、押し付けがましく勝手に表れる広告とは異なり、能動的に「自分で発見した感じ」を演出できれば、また新たなSNSマーケティングになるのかもしれませんね。
日進月歩のこの世界、ユーザーのうかがい知れぬところで、すでにそのようなシステムが機能していて、彼女は「自分で見つけた」と思っていても、実は「見つけさせられていた」という可能性も無きにしも非ず、ですが。
リアルタイムで皆がどんなふうにSNSを活用しているのかもっとリサーチするためにも、若い女性との飲みの場を増やさないといけない。そんな結論に達しました!(笑)