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売れるモノにはワケがある。PR目線で読み解くヒットの構造 #05

「IQOS」「経口補水液」ヒット商品には、未来を見据えたPR活動がある【ラウツマ 松浦隆】

未来を見据えたビジネスには、未来を見据えたPRが伴う

 ここまで、PRとは関係のなさそうな話をしてきましたが、私が言いたいのは「ビジネスにおいて、未来を想像することは非常に重要なファクターではないか」ということです。そしてPRにも、「未来を見据えたPR」というものが存在すると考えています。

 IQOSを開発したフィリップ モリス社は、約30年前から電子タバコの開発を始め、現在の形になるまで約500億円を投じたと言われています。先行投資に500億円。想像を絶する、スゴイ経営判断です。少なくともこの日本において、その判断は大正解だったと言えると思いますが、こうした成功を目の当たりにすると、ある人物の言葉を思い出します。

 その人物とは、東京大学教授で当時世界一のスパコンだった「京」を開発した平木敬教授。平木教授とは前職時代にテレビの特番でお会いし、愛煙家である教授とテレビ局の喫煙室で話をする機会がありました。

 「松浦さん、10年後の日本はどうなっていると思いますか?10年後には、科学にしろ、医学にしろ、工業にしろ、あらゆるものが確実に進歩します。それらは人間がつくったものであるにも関わらず、人間の想像力だけは進歩しておらず、ほとんどの人が10年後の未来を具体的に想像できないんですよ。ビジネスにおいては、未来を的確に想像できた人が成功します。10年前、このスマートフォンの登場を予見していた人がどれぐらいいたと思いますか?わずかではありますが、それを予見し、そこに生まれるビジネスチャンスを掴んだ人が、現在の成功者と言えるんじゃないでしょうか」
 
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 もう8~9年前の話ですが、今も肝に銘じている言葉のひとつです。少なくともフィリップ モリス社は未来を予見し、500億という巨額を投じ、新たなビジネスを切り開いたわけです。

 未来を予見することで、ビジネスチャンスを掴める。それは、これからも変わらないはずです。すでに見えている未来ではありますが…今の日本で言えば、行き場をなくした喫煙者(愛煙家)に対してもビジネスチャンスはあると思うし、この酷暑に象徴される異常気象、国全体の課題である少子高齢化、各メーカーの新技術(例えば自動運転技術など)にも、新たなビジネスチャンスがあるはずです。

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