成果を出すコンテンツマーケティング虎の巻 #4

「想像を超える体験」で仕掛ける、KDDIの新たなブランディングとは?

    

銀座のど真ん中に蝶の森を創る。数分で予約が埋まるブランド体験。

   

          
 そのような「体験」を軸としたブランド活動を目的として、チームラボさんと膝詰めでディスカッションを重ね、社内でも前例のない常設体験イベントを開催しました。KDDIの通信のチカラとチームラボさんの創造力を掛け合わせて、お客さまの想像を体験に変えていく取り組みです。

 6月末まで開催していた第一弾の「Walk,Walk,Walk HOME」は、自分が描いたキャラクターが世界中で描かれたキャラクターとGINZA 456壁面の鳥獣戯画の世界でつながり、一緒に歩き、そしてひとつの作品となる体験です。

 GINZA 456にお越しになれない方も遠隔参加できるように設計しており、会期終了後の現在もサイトから参加可能です。7月末の時点で実に海外60カ国以上から参加してもらい、今も4000以上のキャラクターがYouTube上の作品の中でつながって歩いています。

 お子さまはもちろんですが、新しさの中にどこか懐かしさも相まって、大人の方も楽しんでいます。ぜひ、皆さんもお絵かきして、世界中と一緒につながる体験を試してもらえれば嬉しいです。

 そして、現在開催している第2弾の「捕まえて集める境界のない群蝶」は、幻想的な森に飛び交う蝶をスマートフォンで捕まえ、また森に放すという不思議な体験です。スマートフォンで蝶を捕まえると、目の前の森からその蝶が消え、手元のスマートフォンの中に入ってきます。そして、またスマートフォンから森の好きな場所に放すと再びひらひらと舞っていきます。平和の象徴ともされる蝶が、通信によってフィジカルとサイバーの世界をボーダレスに行き来する、そんな「想像を超えた体験」を感じていただいています。




 また、フロアの扉を開けると視界一面に広がる幻想的な森や、触ると光る木々や動きを変える蝶、癒しの森林の香り、聞こえてくる森の息吹、味覚で楽しむ体験後のお土産など、五感で楽しんでいただけるようにこだわりました。お蔭さまで、予約開始数分ですべての予約が埋まる程にご好評いただいています。

 コロナ禍で分断が余儀なくされている中、通信のチカラによってお絵かきしたキャラクターで世界中の人とつながり、新たな作品をつくる。また、通信のチカラによって、蝶がフィジカルとサイバーの世界を行き来する。チームラボさんとのディスカッションで、私たちがこだわったのは「通信によってお客さまの想像を体験に変えて、ワクワクしてもらいたい」という想いを体験化することでした。

 ワクワクしてもらい、通信、そしてKDDIをより身近に感じてもらいたい、そして、その体験によって蓄積された知覚価値は、お客さまの中でブランドとしてずっと覚えていただける、ストックされていくものだと思います。

 次回はこの取り組みにおける企画の進め方、コミュニケーション設計の考え方などをお話したいと思います。

他の連載記事:
成果を出すコンテンツマーケティング虎の巻 の記事一覧
  • 前のページ
  • 1
  • 2

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録