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アクセンチュアインタラクティブの顧問に伊東正明が就任、コンシューマーマーケティングを加速

 元P&Gバイスプレジデントで、現在は吉野家 常務取締役を務める伊東正明氏が、2021年7月14日にアクセンチュアインタラクティブ本部の顧問に就任しました。伊東氏は、P&G時代にジョイやアリエールなどの国内市場でのブランド再生を手がけ、米国やスイスではグローバルファブリーズチームのマーケティング責任者を務めるなど、コンシューマーマーケティングのスペシャリストとして活躍してきました。現在も個人でビジネスコンサルティングを行いながら、吉野家の常務取締役を務めるなど、マーケティング領域で活躍し続けています。今回は、同氏がなぜアクセンチュアインタラクティブへの参画を決めたのか、これからのマーケティングをどう展望しているか詳しく聞きました。

伊東正明P&Gにてジョイ、アリエールなどのブランド再生や、グローバルファブリーズチームのマーケティング責任者をアメリカ・スイスにて担当。直近までヴァイスプレジデントとしてアジアパシフィックのホームケア、オーラルケア事業責任者、e-business責任者を歴任。2018年1月より独立、ビジネスコンサルタント。また、吉野家 常務取締役も務めている。
 

企業のマーケティング課題に向き合う

――長くコンシューママーケティングに携わってきた伊東さんが、いま感じている業界の課題はなんでしょうか?

 企業がまず実施すべきことは、顧客が欲しい商品やサービスをつくることだと思っています。それを踏まえて利益が出るように価格構造、利益構造をつくり、その商品をきちんと安定供給できるサプライチェーンを持つことが重要になります。キャッシュがいくらあったとしても、顧客が欲しい商品を発売できなければ、商売が難しくなるのです。

 この本質がいつの間にか抜け落ちてしまい、失敗していく企業が多いと感じています。顧客が欲しいと思う商品を正しい価格設定と利益構造で提供できること、この肝となる部分に悩んでいるのです。

 これを解決するには「顧客が何を考えていて」「どんな属性か」を企業側が把握することがスタートです。そこから顧客が「なるほど、これが欲しかった」と驚いて納得してくれる商品やサービスのアイデアをつくるのです。マーケティングでいうところの「Who」「What」「How」が重要になります。

 とはいえ、現状を見ると、どうやって伝えるかという「How」ばかりが語られている傾向がある気がします。それももちろん大事なのですが、もう少し顧客を理解し、顧客がハッとしてくれるようなアイデアづくりである「What」が議論されるべきだと思います。
 

コンシューマーマーケティング一筋だから貢献できること

――アクセンチュアインタラクティブの顧問に就任した背景を教えてください。

 アクセンチュアインタラクティブから「顧問に就任してほしい」とお声がけいただいたのですが、最初は「なぜ私?」と疑問に思いました。デジタルマーケティングの事業支援をしていることは知っていましたが、それと自分の強みが紐づかないと感じたためです。

 ところが、実際に話を聞いてみると、アクセンチュアインタラクティブが取り組んでいるのは、デジタルを超えて企業の「変革(トランスフォーメーション)」の支援でした。フィヨルドやDroga5、IMJなど、それぞれの領域に特化したグループ内の専門組織がコラボして、顧客に提供する「Whatのつくり込みの支援」をしていたのです。

 アクセンチュアインタラクティブでは、多くの企業に対して、ビジネスモデル転換の具現化を支援してきた実績がありますが、最近の事例では、ふくおかフィナンシャルグループが設立したネット銀行「みんなの銀行」が挙げられます。
 
「みんなの銀行」
デジタルネイティブ世代の銀行への印象を踏まえて、新たな銀行のブランド体験をみんなの銀行と共にデザイン。ユーザーの体験を基に、ビジネス、システム、デザイン、マーケティングと、銀行全体を作り上げた。
世界三大デザイン賞のひとつRed Dot Design Awardにおいて2021年のBrand of the Year (最優秀賞)などを受賞している。
 
 ここまで川上から川下までのフローを伴奏し、具現化する会社はあまり聞いたことがありません。そう思った時に、私がP&G時代からしてきた川上から川下までを見て、利益を出していく視点がお役に立てると感じて顧問として参画を決めました。

――アクセンチュアインタラクティブで、伊東さんが実現することはなんでしょうか?

 アクセンチュアインタラクティブからは「より高いレベルで企業のコンシューマーマーケティングやブランディングを支援していく時、社員に足りないものを補完してほしい」と言われています。

 まだ取り組みを始めて1ヵ月くらいですが、スタートして思うのは、スマートな考え方の社員が多いことでした。課題を発見する力、ロジカルに仮説を組み上げる力、そこに基づいた解決策を考える力に長けていて優秀だと感じています。

 その中で、私が社員との経験の差から伝えられるのは、コンシューマーマーケティングの実態です。パワーポイントの世界で描いているものが、実際の店頭では異なって見えるなど、過去に自分がミスした内容を繰り返さないよう「こう判断すればうまくいく」といったアドバイスができます。そのことによって、彼らの提案の価値を少しでも上げられると確信しています。

 そして、一人ひとりのコンサルタントにマーケティングの考え方をしっかりと理解させて、腹落ちさせていきたいと思っています。プロジェクトを通して実践してもらい、フィードバックを繰り返すことで、私と同じ思考の働き方ができる人材を増やしていくことが最終ゴールだと思っています。さらに戦力を強化したアクセンチュアインタラクティブの今後を見守っていただければと思います。

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