事業主インサイト ~現場のリアルな疑問に答えます~ #03

非対面のコロナ禍でも通用する「BtoB提案」とは?

前回の記事:
CRMやMAは、小規模組織でも導入価値があるのか?【菅野勇太が答えます】
 

コロナ禍の商談は、提案の前後が重要

 
【Question】
「コロナ禍の営業に必要なスキルは何でしょうか?」

 コロナ禍での商談は、提案を受けるクライアント目線から見ても、本当に難しくなっていると実感します。提案の場がすべてオンラインというわけではないですが、リアルと組み合わせたり、機会そのものが減ったり遅れたりしている状況は当社LIFULLも同じです。

 営業に求められるスキルは、提案中、話に集中してもらうスキルは当然のこと、私はむしろ「提案の前後」がより重要になっているのではないかと考えています。オンライン提案中に「話を聞かせよう」「何とかして商機を掴もう」と、あらゆるギミックを活用しても、効果は限定的といいますか、一定量どうしようもない部分があるからです。リアルと違って手元や見ている画面を互いに確認できないこともあり、私自身どうしても他のことをやってしまうこともあります・・。
 

「予算ロジック」の事前把握がカギ


 提案する「前」が大事な理由は、コロナ禍での予算ロジックの定石がないことが背景にあります。何をトリガーに予算を増やす/減らすのか?どうなったらアクセルを踏む/ブレーキをかけるのか? その意思決定のロジックが、業界や企業によって様々で、まだまだパターン化されていないと思われます。

 そのため、提案する企業固有の「予算ロジック」をいかに把握するかがカギとなります。当該企業の業績推移に加え、今後の国の政策、消費者意識、コロナ新規感染者数などの外部環境のどこに注目しているのかを把握できれば、そこが突破口になるかもしれません。特に、広告宣伝費は年間を通じて流動性が高く、抑制してきたコストを一気に放出する、なんてタイミングもあるかもしれません。

 「売りたいものをまず提案してみて、どの辺にニーズがありそうかを聞く」という営業スタイルでは、仮にニーズがあっても「今じゃない」となればぬか喜びです。お金を出せる条件となるトリガーやタイミングを把握することを目的としたヒアリングを、本提案の前に挟むべきでしょう。
 

コロナでも通る提案は、資料に営業させること


 よほどドンピシャの提案でもない限り、大体はその場で決裁とはならず、持ち帰って検討されることになるでしょう。そこから先、社内で検討となりますが、商談と同じく社内でもオンライン中心のコミュニケーションが増えています。よって、担当者が決裁者に説明したり、関係他部署を説得したりするハードルも高くなっています。

 実際、私もパートナー企業からご提案いただいた内容を、自ら上司や同僚に説明する機会はコロナ前と比べてぐんと減りました。対面だとフラリと席まで行って、もらった紙の資料を見せて反応を得るようなライトなコミュニケーションが可能でした。いまはそのためだけに、わざわざオンラインミーティングを開催しません。資料のパス(保存先)のURLと、自分なりの意見を添えてチャットで送り、相手のフィードバックを待つスタイルが定着しています。

 しかしこれは、決裁者が資料を読み込んでくれる機会が増えたと捉えれば、チャンスでもあります。
 
  • コロナ前
 資料は紙がメイン。かさばるので、社内の共有範囲は限定的。
  • コロナ後
 資料はデータがメイン。資料共有のハードルが下がっているので、参考情報程度でも広く共有。

 資料が提案先の企業社内でシェアされる可能性が高まっていることは確かですが、その分、決裁者からすると目を通さなければならない資料が山積みになっています。正直、私も重要な提案であっても、ページ数が100を超えるような資料はその時点で読みたくありません。いかに提案の価値を短く、濃く資料として凝縮して表現できるかが、成否を分けるキモになるでしょう。

 優れた提案資料は、提案先の社内をひとり歩きして、上層部まで説得して回る効果を発揮します。最後に、手前味噌ですが、私が主催する「B2Bセールス塾」では、提案の骨子を1枚に凝縮する「Big Picture」という手法を提唱しています。ご興味があれば是非、塾でお会いしましょう。





 ※「菅野勇太のB2Bセールス塾」では、具体的な事例をもとに、事業者側のインサイト=「経営者からの視点」、「企業の組織構造」そして、企業の顧客である「消費者視点での考え方」など、各レイヤーでそれぞれの視点で深掘りすることで、 知識を活用するための洞察技術を身につけることができます。
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