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ルームクリップが家具D2C のbydesignを買収した狙い。インテリア領域に新たなマーケットを生み出す

 

RoomClip は、D2C家具ビジネスの弱点をカバーする


――bydesignにとって、ルームクリップと一体になるメリットは何でしょうか。

 ひとつは集客ですね。ルームクリップが運営する「RoomClip」は、日本でも最大級のホームファッション領域のコミュニティメディアです。そこにはインテリアや家具といった商材やカテゴリに非常に興味のある人がユーザーとして集まっているので、ターゲティングメディアとしてもこれ以上、精度の高い場所はありません。MAU(月間アクティブユーザー)も600万人というボリュームがあるので、シンプルに新規獲得が期待できるんです。ただ集客に関しては、必ずしもルームクリップと組まなくとも、コストや時間を掛ければ実現できるでしょう。

 ルームクリップと組んだ決定的な理由は、リテンションです。家具や収納は、そのビジネスの構造上、日用品や生活雑貨ほど購買の機会が多くはありません。もちろんブランドとして新商品や新たなインテリアコーディネートの提案は行いますが、それによるリテンションには、はっきり言って限界があります。しかしRoomClipというツールは、お部屋の中にどのようにアイテムを取り入れていくかという話題が交わされるコミュニティとして発達しているので、その中に入り込むことでコミュニケーションにフックを掛けることができ、継続的な接点につなげることができるんです。



 加えてRoomClipは、ユーザー側のニーズの多様性を捉えるという点でもとても効果的です。D2Cブランドは、まともにマスを狙っても大手メーカーには勝てないので、ニッチに尖らせた世界観をつくってブランディングを行うという戦略が欠かせません。ただ、そうはいってもユーザー側が完全にこちら側の提案する雰囲気に従ってコーディネートするかというと、現実はそうではありません。

 たとえばbydesignが提案するブランド「Kanademono」は、インダストリアルやミニマルといった世界観を打ち出していますが、実際にそのテーブルを使ってくださっているご家庭に鉄骨むき出しの天井があるかといえば、必ずしもそうではないですよね。

 現実ではこちらの提案とは違う使われ方をされることが圧倒的に多いわけですが、だからと言って、私たちはブランドの世界観を崩すことができないので、和室に置くという提案はしづらいわけです。

 それに対してRoomClipでは、UGC(ユーザー生成コンテンツ)によって、非常にリアルなユーザーの使用事例が見られます。つまりユーザーの投稿から、和などの異なる世界観のお部屋でも意外と合わせることができるといった、世界観の広がりが生まれるわけです。

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