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ファミマが狙う業界No.1、新ブランド「ファミマル」で目指す顧客コミュニケーション

 

旧プライベートブランドの弱点

 2021年、ファミリーマートは創立40周年を迎えた。「もっと美味しく」「たのしいおトク」「『あなた」のうれしい』「食の安全・安心」「わくわく働けるお店」の5つキーワードを軸に「40のいいこと」と題して、次々と新しい施策を発表している。今回のプライベートブランドのリニュアルは、「40のいいこと」の70番目にあたる取り組みであった。



 ファミリーマートのプライベートブランドは、「ファミリーマートコレクション」と「お母さん食堂」、「お母さん食堂プレミアム」の3つに加えて、同社のロゴだけがついた商品も存在していた。



 足立氏によると、ネーミングがファミリーマートのブランドとして伝わりにくい点、お母さんと結びつかない商品展開がされている点、さらに味や品質、安全・安心などへのこだわりを十分に伝えられていない点など、さまざまな課題があったという。

 そこで顧客に伝わりやすい商品展開を検討してたどり着いたのが、プライベートブランドの統合と新ブランドを確立だった。足立氏はファミリーマートに入社したときから「ファミマの特徴やイメージの弱さは大きな弱点で、差別化要素を持つ必要がある」と話していた。
 

新プライベートブランド「ファミマル」とは



 ファミリーマートの新プライベートブランドは、「二重丸の品質」を表したロゴと、キーワードである「おいしい」「うれしい」「あんしん」、ファミリーマートの略称である「ファミマ」を組み合わせたネーミングから構成されている。

 ブランドカラーで使うことで、同社のプライベートブランドであることを直感的に伝え、自信を持って薦められるクオリティであることを表現しながら、幅広い世代に受け入れられるスマイルマークを取り入れた。


 

お客さま視点での細部へのこだわり

 従来のプライベートブランドのカテゴリーを踏襲し、「ファミマル」、「ファミマルKITCEN」、「ファミマルKITCEN PREMIUM」の3つを展開する。



 パッケージの写真は、大きく円の印象をつくるデザインと、SNSやレシピアプリでも用いられる真俯瞰(真上から撮影する)アングルを採用し、味の種類や商品カテゴリの違いに応じてパッケージの色を変え、お客さまにとってわかりやすいとともに、スタッフにとっても陳列しやすく、働きやすくすることを狙いとしている。





 また、「F-universal」というデザインコンセプトで設計。Fには、誰にとっても(FAMILY)、楽しく(FUN)という意味を込めている。わかりやすさを追求して、アイコン・アイキャッチを活用し、産地や製法、環境への配慮などの情報を表示すると同時に、最もおすすめしたい要素をアイキャッチカラーで大きく表示。アイコンでは、どんな特徴のある商品なのか、どのような点で安心して買える商品であるかを直感的に認識できるよう工夫しているという。

 
 
 
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