企業インタビュー #02
コロナ禍で新規登録者数5倍。パンのサブスクはどう会員を伸ばしているのか
パン屋さんの店頭売り上げを後押しする、日本初「全国パン共通券」
――昨年12月9日(木)からは「全国パン共通券」をスタートされましたね。山口 「全国パン共通券」は、企業やブランドを超えて全国の加盟パン屋さん共通で使用できる、日本初のパンのオンラインギフト券です。
2021年11月に2万人の男女を対象に実施した調査では、「もらって嬉しい手軽なギフト」の2位に「全国各地のパン屋さんで使えるギフト券」が選ばれました。その結果からも、ポテンシャルを感じています。
パン屋さんは電子ギフトの専用キットを置くだけでいいので、オペレーションも簡単で、いまは「ヴィ・ド・フランス」、「浅野屋」、「神戸屋」、「PAUL」、「MAISON KAYSER」など、みなさんお馴染みのパン屋さんにも加盟いただいています。
「パンスク」自体は、その地域でしか出会えないパン屋さんのパンを地域を超えて全国にお届けするために、チェーン展開をしていない小規模なパン屋さんとネットワークを持っていましたが、「全国パン共通券」の取り組みを実現するにあたっては、大手のパン屋さんともお付き合いできるきっかけになっているので、今後さらにパン屋さんのネットワークを広げていくことができると確信しています。
「普段パンはあまり食べないけど、『全国パン共通券』をもらったから気になっていたあのパン屋さんに行ってみよう」という体験を作り出すことを目指しています。これはパン屋さんにとってお客さまの新規開拓にも繋がるのです。
――新サービスのリリースでパンフォーユーのサービスも広がりますが、今後さらに注力していきたいことはありますか。
山口 既存のパンフォーユーの事業は、パン屋さんの外販と言われるいわゆる店頭以外の売上を作る支援をしてきました。ただ、店頭で売上も大事にされているパン屋さんが多いことを実感し、今回店頭の売上支援の1つ、新規顧客の獲得施策として「全国パン共通券」を開始しました。今後は、「全国パン共通券」を通じて知ったパン屋さんに「通って」もらうために、毎月特定の金額をお支払いいただくことで、店頭にある好きなパンを1日1個持ち帰ることができる「パンパス」、コーヒーチケットのようなパンの回数券「パンチケ」というサービスを予定しています。
すでに群馬県内6店舗で実証実験を完了しており、我われも想像していなかったのですが、来店されるお客さまの5割が「パンパス」保持者になり、店頭での売り上げもアップした結果がでました。
地域のパン屋さんは、お客様にいかに来店し続けてもらうかが重要というお店も多いです。「パンパス」や「パンチケ」の準備を進め、「全国パン共通券」とともに、いかにパン屋さんに貢献できるかは我々の来年の大きなテーマです。