企業インタビュー #02
コロナ禍で新規登録者数5倍。パンのサブスクはどう会員を伸ばしているのか
企業間を越えて冷凍品の新価値を考える
――パンという領域、経済圏以外にもビジネス拡大は目論んでいますか。山口 当社のテーマである「冷凍×IT」も広げていきたいですね。新しいパン経済圏を作ることがミッションのため、「冷凍」というキーワードは常に中心にありながら、それ以外の部分でも力を発揮していく。来年はそういうフェーズに向かうと考えます。
創業時からいままでは「冷凍してもおいしいパン」というイメージを持たれていましたが、これからは「冷凍だからおいしいパン」という印象まで持っていきたいのです。それには、もっと多くのおいしいパン屋さんとの連携が必要ですし、それを実現するために「冷凍」にまつわる知識の拡充も重要だと思いました。2021年9月に立ち上げた「フローズンエコノミーラボ」がその一歩です。
2000年以降、冷凍食品市場は右肩上がりに成長しており、新型コロナウイルス感染で自宅にいる時間が増えたことでさらに拍車がかかりました。冷凍品の需要は高まる一方、家庭用冷凍庫の保存容量は変わっていないため、常に冷凍庫はパンパンという問題も生じています。それだけではなく、冷凍品は手抜きだとか美味しくないという消費者もまだいるので、併せて冷凍そのものの課題に取り組まなければと感じていたんですよね。こうした問題を一緒に変えてこうと、家庭用冷凍品に関連するサービスを持つ企業と共同で「フローズンエコノミーラボ」を立ち上げ、勉強会や交流会を開催しています。
いまでは、味の素冷凍食品、崎陽軒、シャープ、パナソニックなどにも加入していただき、スタートアップから大企業までが同じ視点で冷凍品の未来について語っています。さらに、冷凍品の流通が増えることによりフードロス削減にもつながることを目指しています。企業課題だけでなく消費者課題に向き合いより良い暮らしを目指すこのラボも、来年も参加企業を増やしさらに拡大させたいと思っています。
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