[Agendaスペシャル] スポーツ・スポンサーシップの幸福なカタチを探る #08

わずか2週間で1年分の価値を生み出す、ウィンブルドンのコンテンツ戦略【日本アイ・ビー・エム 岡田明】

メッセンジャーで、ボットが質問に返答

 さらに、今年からはFacebookメッセンジャーにリアルタイム性の高いボットが実装されている。

 昨年までは「Fred」というボットサービスで、定型の質問に関する返答のみのサービスを提供していたが、今年は「カレントデータ」を提供できるようになっている。

 Newsと質問すれば、最新のニュースが提供され、Scoreと言えば現在行われている試合の最新スコアがリアルタイムで返答される。これらを実現するため、今年IBMはデータ構造を再構築しており、あらゆるチャネル(サービス)からの問いかけに対して鮮度の高いリアルタイムの情報を提供できるように変革を行っている。

 世界中のファンが知りたい「現在」の情報を発信するために、テクノロジーでどのように実現するかということはAELTCに対するIBMのコミットメントでもある。



 

世界に発信された価値をリアルで回収する仕組み

 大会期間中、IBMをはじめ、多くの企業がHostipalityProgramを提供しており、かけがえのないVIP体験がより格調あるウィンブルドンの価値を押し上げる。

 同時に、客単価の高いSUIETルームは収益を押し上げる装置としても機能しているのであるが、大会期間外も企業のビジネスミーティングやカンファレンスに積極的に活用されている。

 英国でのカンファレンスやプライベートパーティーがウィンブルドンを会場に行われるとしたら、心踊るものではないだろうか。ウィンブルドンに対する漠然としたイメージに加えて、名シーンや格調高い映像をより具体的に刷り込むことができていれば、参加者の満足度も上がり、催し物の価値もより高くなる。

 「最高のテニストーナメント」は大会期間以外にも100近くあるSUITEルームによって継続しているのであり、コンテンツの価値を対価として回収する役目を担ってもいる。
 


 たった2週間の大会期間中に、どれだけ鮮度よく、より世界中の多くの人にコンテンツを届けることができるのか。

 コンテンツフォルダーのミッションステートメントに対して、テクノロジー企業がコミットしてコンテンツ価値を高めて行く取り組みは、欧米に大きな遅れをとってしまった日本のスポーツ産業において、大いに参考にすべきである。そして、スポーツ産業に限らずコンテンツを保持する企業のマーケティング活動にも大いに参考になるものではないだろうか。



  
 
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