音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #39
広告会社やIT会社と「良い関係」を築くための大事な話【音部で壁打ち】
営業研修でのラーニング
ブランドマネジャーになる前に、数週間~数カ月の営業研修が2回ありました。毎日営業社員に同行して、営業として活動します。そこで先輩が教えてくれたことのひとつが、取引先の担当者の動機を理解することでした。
「彼・彼女が次の段階に昇進するためには、いまの立場で何を達成する必要があり、そのためには自分たちがどのような貢献ができそうか考えろ」というアドバイスです。彼・彼女の出世に役立ちそうなら、きっと担いでくれるというのです。とても合理的であると同時に、実に人間味にあふれたアプローチです。
ここでも「売るのではなく、欲しくなってもらう」というのは、消費者への対応と同じです。それまで「営業は取引先に商品ではなく自分を好きになってもらって、それをきっかけに商品を売るのだ」とどこかで聞きかじった話を信じていましたが、実情はいささか異なっていました。その先輩は取引先に気に入られてもいましたが、それは必ずしも人間性だけではなかったのだと思います。取引先の担当者にとって役に立ち、彼らのキャリアに不可欠だと思われていたのでしょう。
このラーニングは、広告会社やITソリューション会社との協働でも有効に機能します。正面の担当者や責任者に、何が起これば彼・彼女のキャリアの成功につながるでしょう。そのために自分たちができることは何でしょう。
目の前に売上・利益やプロジェクト遂行の責任があり、自身と部下たちのキャリアを背負い、加えて取引先のキャリア展望まで想像するのは大変なことです。なかなか全部はやりきれませんが、「何を意識すればいいのか」を教えてもらいました。