音部で「壁打ち」 – あなたの質問に答えます。 #39
広告会社やIT会社と「良い関係」を築くための大事な話【音部で壁打ち】
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動機がなければそもそも協働しにくいですが、動機だけで十分な連携ができるほど簡単な世の中ではなくなってきました。消費者との接点が多様化したことでマーケティング活動が複雑化し、協働し連携するパートナーも急速に増加しているからです。
ソロのアドリブの弾き語りなら楽譜は必要ないかもしれませんが、合唱団を交えた交響楽団には楽譜は必須です。ひと昔前、テレビが主流だった頃のマーケティングはテレビの歌声に合わせて店頭や雑誌広告が追随していくことで、全体最適がなされていました。今では、そうした役割を担えるテレビ広告を用意できるブランドは、多くはありません。
多様化し複雑化した環境下で効果と効率を担保するためには、マーケティング活動全域を俯瞰する全体設計図が不可欠です。全体図があることで、各広告会社やソリューションパートナーは、消費者のパーセプションの変化のどの部分を担当するのか、明確に理解できます。こうした構造的な理解を共通言語として共有することで、各社との連携を仕組み化できます。楽譜があることで複数の楽器が合奏できることに似ています。
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