【速報】カンヌライオンズ2022現地レポート #2
カンヌライオンズ2022はクリエイティブBtoBの新設で29部門へ、9トラックにも改変あり
カンヌライオンズ2022の贈賞式に何日かに渡って複数回出席するうちに感じたのは、登壇者の弾け具合も、観客の歓声と拍手も、例年より強く勢いがあるということです。私は一つひとつの作品や事例についてよりも、まず会全体の雰囲気をそう感じました。ある部門の審査委員長は贈賞式の挨拶で観客に向かって、「Hello Human、みんなにリアルで会えて本当に嬉しいよ!」と語りかけています。「リモート開催」について、この業界の多くの人々が、大きなストレスを感じていたということでしょう。
カンヌは「リアルに集うこと」を祝福する祭典でもあった
コロナ禍が我われにもたらしたものは、何でしょうか? あるいは奪ったものは何でしょうか? ひとつ分かったのは、たいていの会議はリモートで開催できてしまうということ。一方で、「人がリアルに集ってこそ」手にしたものも、きっとある気がします。
そうでなければ、カンヌライオンズなんていう毎年世界中から1万5000人もの業界人が集まって(2022年の参加者人数はまだ発表されていません)、同じ場所と時間を共有して「どの事例が素晴らしい」や「イマイチだ」など、語り合う場が必要とされることもないわけです。
2019年に比べて10%以上、エントリー数は減っているようですが、この要因も2020年と2021年にリアルで集まれず盛り上がらなかったと考えることもできます。これは、来年以降のエントリー数を見てみなければ分かりませんが…。
いずれにしろカンヌライオンズ2022は、このリモートの時代に、わざわざ「リアルに集うこと」の意味を考える場でもあるわけです。作品や事例やセミナーの“中身”を知るためだけであれば、オンラインで見れば済むでしょう。それなのに、安いとは言えない登録料と飛行機代、ホテル代に加えて、莫大な時間を使ってでも「リアルに集うこと」に意味がある。少なくてもそう考える人がクリエイティブ・ビジネス業界に一定数存在するということでしょう。