アジェンダノート編集部より、新年のご挨拶

2023年、マーケターは「個」と「チーム」の成長を両立させよう【アジェンダノート編集部】

 

コロナ禍からの脱却と人と人とのつながり


 2022年を振り返ると、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や安倍晋三元総理大臣が銃撃され死亡した事件など、世界に衝撃を与えた出来事が多く起こりました。原材料費や物流コストの高騰、歴史的な円安は日本経済のみならず家計にも大きな影響を与えました。2023年もマーケターは難しい舵取りを迫られるでしょう。

 その一方、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として広がった外出制限や在宅勤務などを解除する動きが世界中で広がり、コロナと共に生きていく社会に変化しています。当社が主催するマーケティングカンファレンスもコロナ以前の規模に回復しました。特に昨年12月に開催した次世代を担うマーケターが集まるカンファレンス「ライジングアジェンダ2022」では、参加者に35歳以下という年齢の目安を設けたところ、当初の想定を超える約300人の若手マーケターが集結する場になりました。コロナ禍で人とリアルに直接繋がる場が求められていることを再確認し、大盛況のちに終了しました。
  
2022年、初開催のライジングアジェンダ会場の様子
 

「個」と「チーム」でマーケティングを考える


「ライジングアジェンダ」は、ビジネスで勝ち続けるためには、一人ひとりのマーケターが「個」としての成長に力を入れ、成果を出し続けることが大切だと確認された場でもありました。ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏は「厳しい環境でも、全く初めての業務でも覚悟を持って結果を出し続けることが組織内で認められ、次の役職や新しいやりがいのある仕事に就けます」と話し、その上で「日本では『自分自身をマーケティングしていくこと』が、あまり重要視されていません。あの人に仕事を任せたらこういう仕事をする、ということを社内外で発信し、自分自身をブランディングする必要があります。これは自分自身のポジショニング、ベネフィット、ユニークネスを決めて訴求していくことだと言えます」と続け、ひとりのマーケターとして、「個」を確立させていく重要性について言及しました。
  
「ライジングアジェンダ2022」のオープニングキーノートに登壇した、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)の足立光氏

 それと同時に、当社が主催したカンファレンスを振り返ると、昨年はチームの重要性が改めて語られた年でもあったように考えます。

 昨年7月に開催されたマーケティング・カンファレンス「ネプラス・ユー大阪」では、日本コカ・コーラ チーフ マーケティング オフィサー(最高マーケティング責任者)の和佐高志氏が「ひとりの情熱だけでは勝てません。難しい問題に取り組むにはコラボレーション、チームワークが必須になります。商品開発やプロモーションでは、クリエイティブや法務部などとの連携も必要です」というメッセージを残しました。
   
「ネプラス・ユー大阪」のクロージングキーノートに登壇した、日本コカ・コーラ チーフ マーケティング オフィサー(最高マーケティング責任者)の和佐高志氏

 同カンファレンスの別のセッションでも、クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン 代表取締役社長の若月貴子氏も、「ビジネスを立て直すときには、一人ひとりが何をしていて、どのような方向に向かっていこうとしているのか、チームとしての一体感が大事です」という話があり、マーケターとして消費者の心を動かすためには、チームで取り組むことの重要性を伝えました。

 現代は非常に不安定な時代であり、今までの常識が数カ月後には通用しないことが不思議ではなくなりました。「VUCA」と呼ばれ未来の予測が困難な時代を生きるマーケターにとって、世の中の様々な事象を捉え、価値ある商品・サービスを提供するためには「個」として成長は欠かせません。しかし、ひとりでは限界があるのも事実です。力のある個々が集結し、チームや部門、会社など「チーム」として困難に挑戦することで乗り越えられます。「個」と「チーム」の成長を両立させ、マーケティング活動をできるかどうかによって大きな差が出る年になると感じています。

 「アジェンダノート」は引き続き、マーケターにとって飛躍の1年になるようビジネスの成長に役立つ情報をタイムリーに届けていきます。皆さまにとって、素晴らしい年となることを祈念しています。

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