RYUKYU note #13後編
15坪で月1000万円の売上。コロナ禍で県外進出を強化したブルーシールのマーケティング戦略【代表取締役 山本隆二氏インタビュー】
2023/01/17
沖縄の一次産業を応援できる仕組みとは
――2021年はくら寿司と、2022年10月には沖縄県・読谷村のイチゴとコラボレーションしたと思います。積極的にコラボレーションを進めている印象ですが、その背景にはどういった狙いがあるのでしょうか。
やはり、コラボレーションすることでお互いにお客さまを増やすことができます。実は、読谷村のイチゴとのコラボ商品は、「イチゴがたくさんあるから使ってほしい」という依頼から始まりました。沖縄には地産地消したいという想いを持っている人たちが非常に多く、今では読谷村のコンビニやスーパーでとても売れる商品になりました。あるコンビニでは100個以上も購入したという人がいるほど、こぞって買いに行っているそうです。
読谷村にはたくさんの土地が余っているので、日立キャピタルがイチゴの栽培を始めたことがきっかけで、コラボレーションすることになりました。イチゴを応援することで、沖縄の一次産業の応援につながります。我々はつくって売るという二次産業と三次産業を持っている強みがあります。そのため沖縄の一次産業を、スタートアップの段階から何らかの形で応援できるというわけなんです。
ブルーシールのロゴに対する想いとは
――山本さんはかつて、同じサッポログループのポッカコーポレーションでマーケティング本部統括部長を務めていたと思います。山本さんがマーケティングで大事にしていることはありますか。
前提として、マーケティングにはさまざまな定義がありますが、私は会社の想いを形にする活動がマーケティングだと考えています。逆に言うと、会社の想いがきちんと表現されていなければ、会社のためにはならないとさえ思っているんです。売上をつくるだけであれば、すぐにできますが、そこに会社としての想いがなければブランドは強くなりません。私はブランドの強さは、会社の想いの強さとイコールだと思っています。
また、私はブルーシールの最大にして最高の財産は、ブランドのロゴだと思います。そのロゴにどれだけの価値を貯められるかが最も重要です。ロゴに価値が貯まらない活動は、いくら売上になろうともやらなくていいと考えています。
――山本さんがブルーシールの社長になられて数年が経ちましたが、ブルーシールにかける想いはありますか。
私はブルーシールとしてのゴールをどこに置くか、今いる社員がどういう会社・組織にしたいかが重要だと考えています。私自身は定年までという任期を決められた社長なので、残りの5年間で100年企業になるための基盤をつくります。
そのためには、サッポログループの資金力などにも頼りながら店舗や工場などのインフラを整えること。また、「アイスがもたらす笑顔のため」にという部分を信じて取り組んでいくことで、少なくともあと20年は続けられるシナリオをつくりたいと思っています。
―― 最後に、ブルーシールとしての今後の展望をお聞かせください。
それはやはり、うちなーんちゅ(沖縄県民)に「わったーアイス(我々のアイス)」だと思い続けてもらえるブランドにしていくことです。うちなーんちゅには、「さすが、わったーアイスだ」と言ってもらいたいですし、本土の人には、「沖縄のブルーシールはユニークな取り組みをしているよね。ちょっと寄っていこうかな」と思ってもらいたいですね。実は、すでにたくさんの施策を打っているので、それが花開くことを楽しみにしていてください。
- 他の連載記事:
- RYUKYU note の記事一覧
- 1
- 2