TOP PLAYER INTERVIEW #36

「もっと脱皮したい」菅野勇太氏がLIFULL からLINEへ転職

 

先人が築いたセオリーを理解しながら、それに従わない


――これまでの経験から、マーケティングにとって大切なことは何ですか。

「できること」と「もっとできるはずのこと」の2つに分けて考えています。「できること」は、これまでの経験から、マーケティングコミュニケーションに落とし込まれるまでのプロセスとアイデアです。また、変化を恐れないフロンティアマインドと利害の異なる社内外のステークホルダーをひとつの強いビジョンに向かうようにするチームビルディングです。これらは、LIFULLの経験から得た「できること」です。
 
「もっとできるはずのこと」は、方法論的に体系化されていないことに対して勝負していくことです。LIFULLでマーケターの育成をしていたとき、スキルマップをつくったり、職種を編成したり、グレードごとに昇格の基準を決めたりしながら失敗しないように、いろいろなセオリーを教え込んでいました。一方で、体系化された方法論の中で生み出す成功は、大きく跳ねるような結果はあまり出てきません。それが、自分の中でジレンマとしてありました。

――なぜ体系化された中では、大きな成長がないのでしょうか。

 方法論通りに行えば、ローリスク・ローリターンで成果は収められますが、地殻変動的な成功をしたいと思ったら、誰もやったことがない領域に対して、リスクを取らなければいけません。そのようなことを私は意識的に取り組み、投資対効果なんてわからないということであっても、海外からツールを導入してみたり、誰も経験したことがない広告手法にいち早く取り組んでみて、初めて得られる果実がありました。

 マーケティングにとって大事なことは、先人が築いたセオリーを理解しながら、それに従わないことなんです。逆に、そこから新しいセオリーが生まれるので、どんどん新しいことに挑戦していくことが醍醐味であり、その過程に進化があると思っています。未開拓の領域に突き進むことが大事であり、そこで過去の経験をどのように活かすかが重要だと思います。

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