ノバセルのビジネスに対する見解Sponsored

【特別対談】ノバセル 社外取締役に足立光氏が就任「マーケティングの民主化」が広告業界に与える変化とは

 

「話題化」するために


田部 現在、我々は指名検索などの「検索」をベースに広告効果を測るビジネスを展開しています。検索にはリアルタイム性があり、マス広告とデジタル広告の統一指標として両者を横断した比較をしやすいという特徴があります。実際、その活用も少しずつ広がっています。

当社のサービスは、大手消費財メーカーであるミツカンさんにも採用いただいています。たとえば、ミツカンの商品を使ったレシピをテレビCMで紹介すると、商品ではなくレシピの検索量が伸びるという結果がわかります。最近はネット企業のビジネスだけでなく、大手メーカーや店舗型ビジネスを行っている企業も検索へ誘導するためにテレビCMを活用する事例が増えてきています。このように一見、検索とビジネスが連動していなさそうに見える企業については、どのようにお考えですか。

手を広げているスーツを着た男性

低い精度で自動的に生成された説明
検索とビジネスに関して語る田部氏

足立 検索とビジネスの連動については、商品カテゴリーによって濃淡があると思いますが、ある程度はどのような商品・サービスでも連動していると思います。そのように考えるポイントは、2つあります。

ひとつ目は「検索される」ということは、その検索ワードが人の頭に残存している状態であるということです。つまり、検索のシェアを取るということは顧客の脳内シェアを取るということと同義です。そのため、「検索」という指標は非常に重要だと言えます。

もうひとつは、「話題化」の指標としても検索が使えるということです。現在は、Twitterの投稿数などで測る企業が多いです。ただ、Twitterは使っている人の数がある程度限定され、発信する人たちにも偏りがあります。一方で、「検索」という行為は行う人に偏りがなく、多くの方が普通に行っているものです。そのため、Twitterのトレンドは見ているのに検索は見ていないというのは、話題化を追っていくという観点から言うと、十分ではないと感じています。

さらに検索の指標は、競合も含めて常時計測しておくべきものだと考えています。ときには、広告を打たなくても検索量が上がることがあるので、その時に何が起こっていたかを含め、どのようなときに検索量が上がったかの要因を分析することにより、新たな打ち手を考えることができます。

田部 確かにそうだと思います。足立さんと言えば「話題化」が得意だという印象があるのですが、「検索」と「話題化」は共通点があるのでしょうか。

足立 ありますね。「話題化」の一部が検索量に現れると思います。

田部 そうですよね。足立さんは、「話題化」の重要性についてどのように考えていますか。

足立 話題になった商品が必ずしも売れるわけではありません。しかし、商品が飽和している現代では、話題にならないと売れないとは思います。

今はモノや情報が溢れているので、新しい商品・サービスが売れるようになるには、それが消費者の心に留まらないといけないんです。そのため、話題化をして、どこかで目に触れていただく、または気にしてもらう機会がなければ、売れる確率はものすごく低くなると思います。

田部 話題化させるためのコツは、何かあるのでしょうか。

足立 あったら知りたいですね(笑)。

田部 そうですよね。たとえば、テレビCMで数万GRP(Gross Rating Point:広告出稿回数ごとの視聴率を足した数値)を流せば、ある程度強制的に話題化または認知の獲得ができると思います。消費者のパーセプションをつくったり、変えたりするためには、そもそも物量がないとできないのでしょうか。

足立 「物量があったほうが、再現性が高い」というのが正しい認識だと思います。たとえば、ソーシャルメディアのみの投資であったとしても、大きな話題になれば、マスメディアでも取り上げてもらう流れがあるので、あまりコスト(物量)をかけずに認知を獲得できる場合もあります。ただ、ソーシャルメディアにはYouTubeやTikTokなど様々な種類がありますが、どれも再現性が高くないという課題があります。

たとえばこの商品は話題化できて認知を獲得できたという場合でも、同じ施策を異なる商品でも取り組んでもうまくいかないこともよくあります。そのため、確実に認知を獲得するために物量を投入する、つまりは確実に露出できる(ある程度、強制的に認知を獲得できる)広告を出稿するのです。ソーシャルメディアは、基本的に第三者である消費者やユーザーが情報を発信するアーンドメディアのため、認知獲得の再現性が他メディアに比べると低いと考えています。

ソーシャルメディアでも話題化→認知獲得を再現性をもってできるようにするには、日々いろいろな情報を収集して工夫しながら取り組む必要があります。そこに加えて、お金を掛ける余裕があるのなら、マス広告などでブーストすれば、大きく話題化する可能性は高まると思います。

窓の前に座っている男性

中程度の精度で自動的に生成された説明
「話題化」について語る足立氏

田部 足立さんは、多くの広告チャネルがある中でテレビCM出稿にも携わってきたと思いますが、昔と今を比較したときに使い方は変化したと思いますか。

足立 変化している会社もあるかもしれませんし、変化していない会社もあると思います。ファミリーマートの場合、コンビニエンスストアという業態なので短期間で商品が入れ替わります。期間はだいたい2~3週間で、長くても4~5週間ほどしか売らない商品・サービスもあります。そのため、発売してから1週間で大きく話題化・評判化しなければ、商品が売れることはありません。映画も公開後の初週における興行収入が良いとロングランになる傾向がありますよね。それと同じで、「山」をいかに早くつくるかがポイントになります。テレビCMは、そのために活用しています。

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