【特別対談】企業マンガの可能性と未来 #01

広告よりも企業価値を伝えられる「企業マンガ」の可能性 【特別対談:コルク 佐渡島氏×ナノベーション 中野】

 

ナノベーションを支える3つの事業


佐渡島 ところで、ナノベーションはどういった経緯で創業したのですか。

中野 私は出版社とイベント運営会社を経て、2016年8月にナノベーションを設立しました。最初につくった事業は、マーケティングカンファレンスです。

佐渡島 いきなりカンファレンス事業を始めて、参加者は集まるのですか。

中野 前職のイベント会社で得た経験から、3~4カ月かけて1日5~6件ほど企業を訪問すれば、なんとかなるという精神で必死に営業しました。その結果、初めて開催したカンファレンスには100人以上が集まりました。

佐渡島 すごい行動力ですね。では、なぜマーケティングだったのですか。

中野 大学で広告・マーケティングのゼミに入ったことがそもそもの始まりですね。私は、日本のビジネス力を伸ばすには、絶対にマーケティングが必要だと考えています。そのために、マーケティングという領域の拡大に向けた一翼を担いたいと思っているんです。

佐渡島 そうなんですね。たとえば、どこかの企業に入り、自らマーケティングをしようとは思わなかったのですか。

  
ナノベーションの事業について質問する佐渡島氏

中野 1社でマーケティングをするよりも、マーケティング業界全体を引き上げたいという思いがありました。作家やマンガ家にならず、編集者やコルク代表としてマンガ業界を引き上げようとする佐渡島さんと似ているかもしれないですね。

佐渡島 たしかに、そう考えたら似ていますね。

中野 そのほうが面白そうだし、やりがいがありそうだと思ったんです。

佐渡島 ナノベーションでは、マーケティングカンファレンスのほかに「Agenda note」というメディアも運営していますよね。どのような経緯で立ち上げたのですか。

中野 カンファレンスには、良いセッションがたくさんあるんです。それを、その場にいる数百人しか聞いていないのはもったいないので、全国のマーケターにそのまま届けたいと思いました。それによって、カンファレンスに参加する人の裾野が広がるという狙いもありましたね。

佐渡島 今は、その2つがメインの事業になるのですか。

中野 もうひとつ、教育事業もあります。そこでは、足立光さん(ファミリーマート ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO)のようなベテランのマーケターを講師として招いて、マーケティングや経営の知識を教える塾を開いています。

私はカンファレンスやメディアもすべて媒体だと思っています。そこで出会った人のセレンディピティで、新しいアイデアやイノベーションが生まれればいいなと思っているんです。
  
対談中の佐渡島氏(左)と中野(右)

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録