【特別対談】企業マンガの可能性と未来 #01
広告よりも企業価値を伝えられる「企業マンガ」の可能性 【特別対談:コルク 佐渡島氏×ナノベーション 中野】
マンガの質を上げ、長く使える作品にする
佐渡島 ナノベーションでは、セレンディピティをどのように起こすかという設計を本気で取り組まれているわけですね。今回のような企業マンガの取り組みも、その方向性のひとつになりそうです。
中野 そうですね。私はこれまで企業マンガを何冊か読んだことがあるのですが、その内容は今でも覚えています。たとえば、某ホテルのマンガには、かの有名な女性社長が「ホテルの中をいつも掃除していた」という逸話が描かれています。そのシーンは、今でも鮮明に覚えています。
佐渡島 同感です。マンガは絵があるので、印象的なシーンがあると忘れないんですよね。
中野 そうした企業マンガをさまざまな企業に渡して、「これをつくりたくないですか?」と聞けば、「制作したい!」という企業は次々に集まっていくと思います。
佐渡島 もうひとつ大事なポイントとしては、企業マンガはある程度のコストを掛けて、長く読まれる作品にすることが重要です。
カンファレンスでも参加者の誰を集めるかによって、その価値が大きく変わると思います。単にカンファレンスを開催するだけでは何も起きませんが、その設計がしっかりしていれば、セレンディピティにつなげることができるでしょう。
同様に、企業マンガもその質によって大きく効果が変わります。広告であれば、生活者に飽きられないように3カ月ごとに変えたりしますが、企業マンガは長く使えるので、最初から質が高いほうが絶対にいいです。マーケティング業界で自社の企業マンガをつくろうと考える人が増えるといいなと思います。
※後編へ続く
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