TOP PLAYER INTERVIEW #38

リクルートは、なぜ社内にクリエイティブ集団を抱えるのか? 【萩原幸也氏 インタビュー】

 

クリエイティブジャンプをするために必要なこと


―― 萩原さんのような存在が社内にいると、クリエイエイターにダイレクトに広告の狙いや目的が伝わりそうですね。

 そうですね。知識や情報、成功パターンが社内にストック、できるメリットは大きいと思います。ただ、それがいきすぎてしまうと、毎回似通った、つまらない広告ばかりになってしまうので、そのバランスを取ることは常に意識しています。

 とはいえ、そのバランスが非常に難しく、そもそも過去の成功パターンが現在では通じないことが多々あります。わかりやすい例だと、新型コロナの前後で生活者の価値観は大きく変わりました。「今の時代の生活者は、何を求めているのか?」「今であれば、このコミュニケーションが合うのでは」と常に考えなければいけません。
  
クリエイティブジャンプするために必要なことについて語る萩原氏

―― 以前、萩原さんは「サイエンス」と「アート」は明確には分かれていないと話していたと思います。

 はい、「サイエンス」と「アート」は二項対立ではないと考えます。過去のデータやロジックを積み上げることで、80点以上のクリエイティブはできます。ただし、200点や300点のクリエイティブは生まれません。クリエイティブで大きくジャンプしようとすると、それまでの成果や傾向を分析するだけでは太刀打ちできないのです。ですので、大きな成果を出すために社外のクリエイター達と協働していると考えています。

 結局のところ、サイエンスもアートも同じゴールを目指しています。分けて考えるのではなく、両軸を使いながら本質的な課題や問題を突き詰めていくことのほうが重要だと思います。

※後編に続く
他の連載記事:
TOP PLAYER INTERVIEW の記事一覧

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録