TOP PLAYER INTERVIEW #40

生活者の感情に触れ、記憶に残るCMをつくり続ける義務がある【リクルート 萩原幸也氏】

 

贅沢なメディアのひとつがテレビ


―― テレビCMを展開するうえでのターゲットについては、どう考えていますか?

 お店の決済サービスである「Airペイ」を例に挙げると、情報を届けたいのは、お店を経営している方になります。属性だけで考えると、とても絞られているのです。でも、そういう方だけに情報を広く届けられるというメディアは存在していないので、結果的には、テレビCMが効果的だったりします。

 また、お店を経営している方だけが「Airペイ」のCMを面白いと思うのではなく、見た人全員が面白いと思ってくれることを意識しています。それは、単純に皆様に面白いと思ってほしいというのもありますし、使っていただきたい方の家族に届くかもしれないし、今はお店を経営されていないかもしれませんが、いつかお店を経営することになったときに使っていただける可能性のある方もいるはずだからです。
 
Airペイ「居酒屋篇30秒」

―― 先ほど「テレビCMが面白くない」という話がありました。その一方で、10年以上に渡りデジタル広告が伸長していますが、テレビCMの価値や可能性についてどう考えていますか?

 意識的には、「テレビ」と「デジタル」を分けたくないのですが、明確に違うことは3つあります。それは、テレビでは「精緻なターゲティングができないこと」と、「大きな画面で見ていて、番組の合間で流れること」、「リアルタイムでスキップができないこと」です。

 そうした差分を考えると、テレビは一度に多くの人に大画面で見てもらえるので、贅沢なメディアだと言えるのではないでしょうか。テレビを観る人が減ってきていると言われていますが、根本の特性は残り続けると思うので、広く伝えたいときには重要なメディアだと思います。

 私たちのビジネスでは、住宅を探すとき、就職をするとき、食事をするときなど、その場面ごとにリクルートのサービスを使おうかなと思い出していただけるかが重要になります。そうした時に、テレビCMは有効な打ち手となります。もちろん、テレビCMもWeb動画もメリットとデメリットはあるので、そこは自社の商品やサービスによって使い分けるようにしています。
  
テレビとデジタルについて語る萩原氏

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