サステナビリティ特別対談 #01

日本最大級の産後ケアホテル「マームガーデン葉山」、サステナビリティ×ビジネスの舞台裏にファミマ CMO足立光氏が迫る

 2023年3月8日の「国際女性の日」に開催された「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD 2023 for SDGs」で、持続可能な社会づくりに貢献すると共に自身もいきいきと輝き、さらなる活躍が期待できる女性として産後ケアホテル「マームガーデン葉山」を運営するマムズ CEO/産後ケアホテル「マームガーデン葉山」事業責任者の斎藤睦美氏が「HAPPY WOMAN賞」を受賞した。

 日本では、産後うつの割合が年々高まっており、それが出生率・出生数低下の一因と指摘されている。斎藤氏は、出産後の母親をケアし、心身の回復や育児のサポートを行う「産後ケア」に注目。保育やホテル運営の経験などを掛け合わせて、都内から車で1時間、日本最大級のリゾート型 産後ケアホテル「マームガーデン葉山」をオープンした。

 国内では、サステナビリティにつながる取り組みをビジネスとして展開できているケースはまだまだ少ない。そこで、今回は、社有車による保育園の送迎が可能であったり、小学校1年生まで毎年取得できる、5日間の有給育児休暇など、社員の育児参加に積極的に取り組んでいるファミリーマートの エグゼクティブ・ディレクター チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)であり、同社のサステナビリティ委員会の委員長でもある足立光氏がインタビューを実施。「産後ケア」市場や、事業を立ち上げた背景などに迫った。
 

産後の不安やトラブルを抱える人が多い事実


足立 「国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD 2023 for SDGs」にて、「HAPPY WOMAN賞」の受賞おめでとうございます。

斎藤 ありがとうございます。今回は、このような機会をいただき嬉しいです。
  
マムズ CEO/産後ケアホテル「マームガーデン葉山」事業責任者
斎藤 睦美 氏

足立 たまたま私も2023年3月からサステナビリティ委員会の委員長をはじめ、全社横断的にサステナビリティに関わる仕事をしています。ファミリーマートのサステナビリティの一例をあげると、「ファミマecoビジョン2050」という環境に関する中長期目標を立ててCO2削減や、環境配慮型素材の活用、食品ロス削減などに取り組む中、「ファミマフードドライブ」という店舗の近隣にお住まいの一般の方々がまだ食べられるけれども余ってしまった食品を持参いただき、食の支援の必要な方々にご提供するなどの取り組みを進めていますが、サステナビリティの領域での差別化の難しさを実感しています。今回の受賞をきっかけに「マームガーデン葉山」について知って、すごいなと思いました。

斎藤さんは事業化に成功しているだけでなく、新しい業態を生み出している点がすごく面白いと思ったんです。そもそも、なぜ「産後ケアホテル」に着目されたのでしょうか。

斎藤 私が「産後ケア」について知ったのは、姉が出産時に産後ケア施設を利用したことがきっかけでした。そこから、いろいろ調べていくと、日本には産後に不安やトラブルを抱えている人がとても多いことを知ったんです。

産後ケアの事業ができるノウハウが自社にあるのかと考えてみると、当社が所属するNSグループには、リゾートホテルやカプセルホテル、シティホテルなど、さまざまな形態のホテル、そしてカラオケや飲食店などサービス業の運営経験が豊富にありました。

また、私はグループ内で保育園を立ち上げて園長を務めた経験もあったので、宿泊・飲食・保育という「産後ケア」に必要なノウハウが揃っていたんです。

最終的には、「産後ケア」事業が社会貢献につながり、ビジネスとしても利益をきちんと生めるだろうと思えたことが立ち上げの決断につながりました。

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