Agenda note注目のスタートアップ連載 #01
日本人の2人に1人ががんで亡くなる時代。革新的な検査サービスをどう普及させるのか?【セルクラウド 代表 中島謙一郎氏】
Agenda note が注目するスタートアップ企業の戦略や狙いに迫る新連載がスタート。企業を取り巻く環境が激変する昨今、変化への対応がビジネスを成長させる上で重要になる。急成長するスタートアップ企業は、そうした変化を敏感に察知し、迅速に行動することで大企業や競合企業との競争を勝ち抜いている。そこで本連載では、注目のスタートアップ企業の経営者にインタビューし、そのポイントを探っていく。
第1回は、1回5分の採血で全身のがん*のリスクを発見できるサービス「マイクロCTC検査」を提供するセルクラウド 代表取締役の中島謙一郎氏が登場。同氏は、楽天や総合PR会社ベクトルなどで、グループ全体の営業推進や戦略推進などを担い、その後PRクラウドテックを起業し、さまざまな企業のPR戦略を支援。
2022年4月にセルクラウドを起業し、「マイクロCTC検査」サービスを開始。従来の検査手法と比較して、安全かつ手軽に全身のがんのリスク判定ができることを特徴とし注目を集めている。応援購入サイト「Makuake(以下、マクアケ)」で先行販売したところ、公開から30日で医療・検査関連プロジェクトの応援購入総額において過去最高額を更新し、最終的に5668万7400円を達成した。今回は、「マイクロCTC検査」サービスをスタートした経緯やどのようなターゲットに対して何を訴求しているのかなどを聞いた。
※血液がん以外
第1回は、1回5分の採血で全身のがん*のリスクを発見できるサービス「マイクロCTC検査」を提供するセルクラウド 代表取締役の中島謙一郎氏が登場。同氏は、楽天や総合PR会社ベクトルなどで、グループ全体の営業推進や戦略推進などを担い、その後PRクラウドテックを起業し、さまざまな企業のPR戦略を支援。
2022年4月にセルクラウドを起業し、「マイクロCTC検査」サービスを開始。従来の検査手法と比較して、安全かつ手軽に全身のがんのリスク判定ができることを特徴とし注目を集めている。応援購入サイト「Makuake(以下、マクアケ)」で先行販売したところ、公開から30日で医療・検査関連プロジェクトの応援購入総額において過去最高額を更新し、最終的に5668万7400円を達成した。今回は、「マイクロCTC検査」サービスをスタートした経緯やどのようなターゲットに対して何を訴求しているのかなどを聞いた。
※血液がん以外
日本人の2人に1人以上が、がんで亡くなる時代
――「マイクロCTC検査」のサービスをスタートした経緯について教えてください。
セルクラウド 代表取締役 中島 謙一郎 氏
新卒でリクルートに入社。2000年にサイバードの取締役就任。サイバードは創業2年半で、ケータイキャリアの公式コンテンツを250以上提供する国内最大のモバイル・コンテンツ・プロバイダーとなり、史上最短記録でJASDAQ上場を果たす。2002年常務取締役、2006年からは副社長CSOとして、経営全般とB2B事業の立ち上げを担う。2010年に楽天に転職し常務執行役員就任。グローバルを含む楽天グループ全体のWEB編成、広告・宣伝・マーケティング、広報・PR等の横串系戦略部門を、CMOとして統括。2015年、楽天からの派遣で米国ハーバード大学ビジネススクール最高峰のプログラムAMP(アドバンスド・マネジメント・プログラム)を修了。2015年7月にアジアNo1の総合PR会社ベクトル入社、専務執行役員CSOとして、グループ全体の営業推進と戦略子会社の事業推進を担う戦略推進本部を管掌。2021年8月、PRクラウドテックを起業し代表取締役就任。2022年4月、セルクラウドを企業し、「マイクロCTC検査」サービスを開始。
新卒でリクルートに入社。2000年にサイバードの取締役就任。サイバードは創業2年半で、ケータイキャリアの公式コンテンツを250以上提供する国内最大のモバイル・コンテンツ・プロバイダーとなり、史上最短記録でJASDAQ上場を果たす。2002年常務取締役、2006年からは副社長CSOとして、経営全般とB2B事業の立ち上げを担う。2010年に楽天に転職し常務執行役員就任。グローバルを含む楽天グループ全体のWEB編成、広告・宣伝・マーケティング、広報・PR等の横串系戦略部門を、CMOとして統括。2015年、楽天からの派遣で米国ハーバード大学ビジネススクール最高峰のプログラムAMP(アドバンスド・マネジメント・プログラム)を修了。2015年7月にアジアNo1の総合PR会社ベクトル入社、専務執行役員CSOとして、グループ全体の営業推進と戦略子会社の事業推進を担う戦略推進本部を管掌。2021年8月、PRクラウドテックを起業し代表取締役就任。2022年4月、セルクラウドを企業し、「マイクロCTC検査」サービスを開始。
私の周囲の人が『がん』で亡くなることが多かったため、以前から非常にがんに関心を持っていたことがあります。母親の兄弟が7人いてそのうち5人ががんに罹患していますし、新卒で入社したリクルートの仲の良かった同期もがんで4人亡くしています。
今から12年ほど前、セルクラウドの最高医学責任者で医学博士の白川太郎先生とお会いしたんです。当時、白川先生ががんにまつわる本を出版され、その内容が非常に興味深かったので出版記念講演会に行って、それ以降もいろいろと交流させてもらっていました。
その後、白川先生と再会したときに「日本にはまだ入ってきていない、すごい検査が海外にある」という話を聞きました。欧米を中心としたがんの先端研究の現場では、非常に注目され広く使われていたものの、一般の人向けにはまだ使われていませんでした。日本で人間ドックなどの健常者向けサービスとして提供できれば、がんの早期発見に役立つのではないかと思ったのがサービスを立ち上げたきっかけです。
―― 従来の検査との違いなど、特徴を教えてください。
まず現在のがんを取り巻く環境からご説明させていただきます。日本国内において、がんは死因のトップで、2人に1人以上が罹っています。さらに、40歳以上に限ると43%以上の人ががんで亡くなっているんです。
がんはステージ1で見つかると、十分治る可能性が高いにもかかわらず、40%以上の人が亡くなっている事実は、それだけ多くの人が早期発見できていないということになります。現在、日本で主流になっているがん検査には、「PET/CT」と「MRI」の2系統がありますが、いずれも全身を網羅できるわけではありません。胃や大腸など身体の部位ごとに追加で検査する必要があるため、全身をくまなく検査しようと思うと丸一日以上かかってしまいますし、多額の費用もかかります。身体的にも、時間的にも、費用的にも負担が大きく、多くの方がこうした全身がん検査は受けていません。その結果、体の不調を感じ病院に行った時にがんが見つかり、その時にはすでに進行しており、多くの人が亡くなってしまうというわけです。
セルクラウドが提供している「マイクロCTC検査」は、たった1回5分の採血をするだけで、簡単に全身のがんリスクが分かります。ずっと前からがんを心配していたけれど、検査をしていなかった人に受け入れてもらえるサービスだと思います。そのため、従来の検査との一番の違いは、手軽に全身のがんのリスクを検知できることだと思います。