Agenda note注目のスタートアップ連載 #01

日本人の2人に1人ががんで亡くなる時代。革新的な検査サービスをどう普及させるのか?【セルクラウド 代表 中島謙一郎氏】

 

「マクアケ」でプロジェクト開始。3日連続で総合ランキング1位を獲得


――競合はどこになるのでしょうか。

 日本国内で、毎年6,000万人が何らかのがん検診を受けているので、従来の検査すべてが競合になると思います。しかし、全身がん検査は本当に全身くまなくチェックしようと思ったら丸一日以上かかり、結果時間がないという理由で受けられず、簡単にできる様々な早期リスク検査は、結果の納得感に課題がありました。つまり現状のさまざまながん検査にはペインが存在し、事実としてがんの早期発見に繋がっておらず、40歳以上では43%以上ががんで亡くなっています。そのペインをマイクロCTC検査は全て解決できると思っています。

――スタートアップ企業では、事業の立ち上げから話題になることが重要かと思いますが、どのように認知を獲得しているのでしょうか。

 スタートアップは知名度も信用もないので、いきなり広告を出しても受けいれられないためPRが重要だと思います。第三者が「このサービスはすごい」「これは便利だ」などと思うような形で注目してもらうことや、おすすめしてもらうような言葉はすごく重要です。そのため、客観的な事実を中心に第三者からいかに取り上げてもらうか、注目してもらうかを考えて取り組んでいます。

――クラウドファンディングサービス「マクアケ」で注目を集めたのは、どういった経緯があったのでしょうか。

「マクアケ」は、日々新しい商品やサービスが次々と紹介され、それに興味関心を持つ人たちが多く集まっているプラットフォームなので、まずはそこで我々のサービスを紹介しようと思いました。

 その結果、マクアケ社からも高い評価をいただき共同記者会見まで開いて頂くことができました。それがPRになり、「今、注目されているプロジェクトだ」とチェックしてくれる人たちが増え、3日連続で総合ランキング1位をとるなど、注目が次の注目を呼ぶみたいな好循環が生まれたのは非常に大きかったですね。
  
マクアケとの共同記者会見(左から、マクアケ 取締役共同創業者の坊垣佳奈氏、セルクラウド 代表取締役の中島謙一郎氏、同社 執行役員 CTC検査事業責任者 医学博士の太田剛志氏)

――「マクアケ」での応援購入金額は開始30日で『医療・検査カテゴリー』の史上最高額を達成されました。なぜ、これだけ多くの支援をしていただくことができたのでしょうか。

 このようなプロジェクトは蓋を開けてみないとわからないというのが正直な感想です。ただ「マクアケ」は、購入した人が応援コメントをくれるので、それがポイントだったと思います。

 たとえば、「まったく被爆がなく、採血だけで確度の高い検査が受けられるのは大変興味深い」「血液検査のみでよい手軽さと正確性がとても魅力的です」「画期的なサービスで、広まってほしい」などのコメントが届きました。従来の検査に対して、課題や不満を感じていた人が、それを解決する画期的な検査だと感じ応援してもらえたのは大きいかもしれません。
  

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