RYUKYU note #15前編

“レトロ感”で女性ファンを獲得、コンビニで人気 沖縄発「スッパイマン」秘話

 

沖縄の歴史的背景と紐づけたユニークなスッパイマン


――スッパイマンが誕生した経緯を教えてください。

 スッパイマンは42年前の1981年に誕生しました。商品名には、アメリカン・コミックに出てきそうなスーパーヒーローのように全国を飛び回ってほしいという思いを込めています。パッケージの梅の絵は、創業者である父が手描きしたものです。

 父の趣味が絵を描くことだったことと、当時は商品のパッケージなどをデザイナーに依頼する時代ではなかったという背景があります。現在では、スッパイマンの名前やデザインなどの特徴を活かし、レトロ感を意識して、新商品の開発を行なっています。

 台湾や中国から干し梅が輸入され、沖縄でスッパイマンという商品になり、パッケージに描かれているキャラクターは米国っぽいデザイン。沖縄の歴史的背景とも似ていて、国際色が豊かな商品であることが表現されています。



――スッパイマンは、全国のコンビニなどでも流通しています。どのぐらい売れているのでしょうか。

 スッパイマンの商品は、干し梅やキャンディなど全部で約25品目もあるので、「スッパイマン 甘梅一番 たねなし15g」に絞ってお答えすると、沖縄のコンビニにはほぼ置いていただいています。時期で言うと、閑散期の2月でおよそ5万個、繁忙期の7、8月には10万個程度が売れています。

――繁忙期は、やはり夏季なのですね。

 はい、暑くなると梅を欲する人が増えるので天気や気温は毎日チェックしています。ここ7~8年、沖縄は35度以上の気温になった日がないのですが、本土は40度近くになっています。沖縄よりも本土のほうが暑い傾向にあるのです。

 本土の気温をチェックして、猛暑の予報が出ると、工場では「注文が来るぞ!」とバタバタし始めます。実際に、そのタイミングで多くの注文が入りますね。

――商品展開だけでなく、Webサイトなどでもユニークな取り組みが多い印象です。どのような狙いはあるのでしょうか?

上間菓子店の公式サイト

 スッパイマンの販売を開始した1981年頃、マーケティングという発想はなく、単純に商品に対する想いだけで発売しました。そのため、父が梅の絵を描いて、黄色と赤色が目立つという理由だけでパッケージも決めました。

 上間菓子店は島の中小企業です。大手ができないことに取り組まなければ、生き残れません。そのため現在でも常に遊び心があるような商品づくりを心がけています。また、沖縄の中で、我々のようなユニークな商品やブランディングに取り組んでいる企業は、少ないと思います。
  
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