RYUKYU note #15後編
ユニクロやガンダム、カルビーともコラボする「スッパイマン」、沖縄から全国へお客さまにサプライズを与え続ける挑戦
沖縄県は土地柄や歴史的背景に本土と大きな違いがあることから、ビジネスの進め方も従来の方法では、うまくいかないケースがあります。連載「RYUKYU note」では沖縄で活躍する経営者やマーケターをバトンリレー形式でインタビューし、そのサクセスストーリーの裏側にある秘話や、沖縄ならではの戦略や課題、未来に繋がるストーリーをひも解いていきます。
第15回は、沖縄を代表する人気菓子のひとつ「スッパイマン」を展開する上間菓子店 代表取締役社長の上間幸治氏が登場。前編では、上間菓子店のこれまでの歩みと、スッパイマンの誕生秘話、女性ファンが多い理由などを紹介しました。後編では、沖縄から全国へ展開するきっかけと挑戦し続ける思いとマーケティング戦略、大企業やアーティストとコラボレーションする理由などについて聞きました。
第15回は、沖縄を代表する人気菓子のひとつ「スッパイマン」を展開する上間菓子店 代表取締役社長の上間幸治氏が登場。前編では、上間菓子店のこれまでの歩みと、スッパイマンの誕生秘話、女性ファンが多い理由などを紹介しました。後編では、沖縄から全国へ展開するきっかけと挑戦し続ける思いとマーケティング戦略、大企業やアーティストとコラボレーションする理由などについて聞きました。
沖縄のブランドという「意地」で全国に挑戦し続ける
――沖縄から全国へ展開するきっかけは、なんだったのでしょうか。
上間 幸治 氏
私が20歳の1998年頃から父親と一緒に展示会に出展していましたが、そのときはスッパイマンという商品どころか、干し梅の存在すら知られておらず、まったく売れませんでした。
当時の沖縄は、今ほど観光地としてのイメージがなかったので、展示会でも「沖縄のもので売る商品なんてないよ」、「沖縄は外国でしょ」と言われまったく売れませんでした。
それが2000年に大きく変わりました。ある音楽番組で当時の某トップアイドルが「沖縄でスッパイマンを食べた」と話してくれて、ものすごい反響があったのです。今で言う“バズ”ですよね。
それ以降、頻繁にメディアに取り上げられるようになり、それを見た量販店がスッパイマンに興味を持ってくれるようになりました。「あの展示会に出店していた商品だ」と思い出してくださる人もいて、すぐに販売ルートを開拓できました。そのとき、「売れなくても、展示会に出展し続けて良かった」と思いましたね。そうやって量販店での取り扱いが増え、さらに認知度も上がっていき、沖縄から全国へ展開できるようになりました。
―― 沖縄だけではなく全国で挑戦し続け、事業を伸ばすことができている要因はどこにあると考えていますか?
それは「意地」だと思います。沖縄から全国に展開している数少ないブランドなので、事業を伸ばし続けることに挑戦したいという強い想いがあるんです。
ただ、意地と言ってもビジネスとしてのテクニカルな部分は当然あります。現在の我々の売上比率は、本土が8割で沖縄が2割です。実はこれも狙い通りで、全国販売して認知率を高めて、その収益を何かしら沖縄に還元できたらいいなと思っています。
ただし、沖縄は本土から離れているという地理的な問題で物流コストがかかります。それは今後も下がることはなく、逆にどんどんと厳しくなると予測しており、コロナが明けた今は違うステージを考えなければいけないと思っています。