TOP PLAYER INTERVIEW #41

ドラッグストア市場でシェア日本1位獲得、I-neの商品開発責任者が語る好調の背景【執行役員 藤岡礼記氏】

前回の記事:
生活者の感情に触れ、記憶に残るCMをつくり続ける義務がある【リクルート 萩原幸也氏】
  ボタニカルライフスタイルブランド「BOTANIST」や夜間美容ブランド「YOLU」などを展開するI-neは2023年4月、ヘアケアブランドの合計販売金額がドラッグストア市場でメーカーシェア日本1位(※)であった。大手メーカーがひしめき合うヘアケアブランド市場で、なぜ新興のI-neがシェアを獲得できたのか。I-ne執行役員の藤岡礼記氏に好調の背景とヒットの裏側にある同社独自の商品開発のポイントについて聞いた。

(※)国内ドラッグストア市場における単体企業別のシャンプー・リンスカテゴリー販売金額より (I-ne調べ)
 

「Why」に重点を置いた商品開発


――I-neは2023年4月も、ヘアケアブランドの合計販売金額が、ドラッグストア市場においてメーカーシェア日本1位でした。好調の背景について、どのように考えていますか。
  
I-ne 執行役員 藤岡 礼記 氏

 ドラッグストア市場で1位になれた要因は、お客さまが使い続けてくださるブランド力と商品力を獲得できたことだと思います。「BOTANIST」のリピート率は、他社の大手メーカー様の商品と比較しても2倍近いスコアが出ています。

 I-neではブランドをつくるときにパーパス(存在意義)として「Why(なぜ)」を起点に考えます。その「Why」を起点に、「How」として具体的な手段や方法や、「What」として価値を深掘りしていかなければ、お客さまからの共感を得ることは難しいと考えています。「How」や「What」は一時的なバズにつながる要素としては重要かもしれませんが、新しい素材や広告コミュニケーションが登場するとお客さまは新しいほうに興味を持たれる傾向が高くなります。

 一方、「Why」は本質的な要素なため、簡単には真似できないので、最も重要視しているポイントです。「YOLU」にとっての「Why」は「寝ている間にケアできる」になり、「夜間美容シャンプー」で支持を得ることができました。「Why」に重点を置いた商品開発が1位を獲得できた要因のひとつだと思います。

 また、商品開発においては「クラフト」「アート」「サイエンス」の3つのバランスを意識しています。「クラフト」は質の高い製品づくり、「アート」は直感や感覚などの部分、「サイエンス」は、データやKPIの指標などの数値になります。商品の質の高いだけでも、デザインが洗練されているだけでも、市場を分析するだけでも商品は売れません。この3つのバランスがとれていることを非常に重視しています。



―― I-neの商品が他社と比べてリピート率が高い理由をどのように分析していますか。

 商品のクオリティが一番の要因です。「BOTANIST」は、もともとヘアサロンのみで販売されるようなクオリティのシャンプーを一般の市場に持ってきた商品です。それまではヘアサロン向けの商品を中心に扱っていた工場に交渉を重ねて、開発にこぎつけました。同時に、価格構造も見直したことで、販売価格が3,000円以上はしていた商品を1,500円程度の価格帯で販売できています。

 夜間美容ブランド「YOLU」など「BOTANIST」以降に生まれたヘアケア商品の開発では、ある一定のスコアを超えないと販売しない仕組みをつくっています。泡立ちや香り、仕上がりなど、「このポイントで、このくらいのスコアを取ると、お客さまに高品質であると評価していただける」とI-ne独自のノウハウがあるのです。また、それを社内で言語化していることも要因として大きいのかもしれません。

マーケターに役立つ最新情報をお知らせ

メールメールマガジン登録