TOP PLAYER INTERVIEW #42

「全社員マーケターであるべき」夜間美容シャンプーのヒットからI-ne独自の考え方に迫る【執行役員 藤岡礼記氏】

 

Beauty Innovatorsとして、幸せの連鎖を起こす


――プロダクト開発において、藤岡さんが特に大事だと考えていることについて教えてください。

 さきほどの話と重複しますが、パーパスである「Why」が重要だと思います。

 今年の夏に「ワールドツアー」と題して、世界中の最先端の工場や研究所、大学などに足を運ぼうと思っています。商品の成分だけではなく、組織の理論や資材、パッケージなどのサステナブルな部分も含めて、最先端の情報をインプットする予定です。

――今後のI-neの商品における展望と、マーケティング戦略で注力することを教えてください。

 私の個人的な意見ですが、美容業界はカウンセリングとセルフの二極化が進んでいくと思います。カウンセリングは、クリニックや百貨店の美容部員など、対面で自らの悩みを相談し、アドバイスをしてもらって商品を購入します。最近では、オンラインクリニックやオンライン診療も出てきたので敷居が下がっています。一方、自分で手っ取り早く、安く施術などを行うセルフもあります。

 今後、この二極化がもっと進んでいくと、「クラフト」「アート」「サイエンス」のバランスも変わります。そこでI-neでは、ひとつの選択肢としてコングロマリット化を進めています。企業として「この戦い方で勝負します」「この技術でいきます」という戦い方は終わり、ひとつの傘の中で「このチームはこれ」、「このチームはこれ」と複数のパターンで勝負していけるかが重要になります。

――最後に藤岡さんとして、またI-neとしての展望を教えてください。

 私個人としては、数年前に受けたある研修で、人や場所、物が持っている価値を最大限に引き出すことが自分自身の幸せにつながるという答えが出ました。

 部下の持っている能力を最大限に引き出すことが幸せであり、私の存在価値だと思っています。ただ、まだ完璧にはできていないので、そうなるように努力したいと考えています。そのためのモチベーションは、絶えませんね。

 I-neとしては、2023年2月の中期経営計画で「We are Social Beauty Innovators
for Chain of Happiness. 」を発表しました。この一言にパーパスが詰まっています。我々はお客さま、取引先、人、地域社会、地球環境までを含めた、全体の幸せの連鎖を起こすBeauty Innovatorsとして、常に「クラフト」「アート」「サイエンス」のバランスと、パーパスの設定を日々考え続けて形にしていきます。

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