TOP PLAYER INTERVIEW #43

はなまるうどんCMOに元おやつカンパニーの髙口裕之氏が就任 「マーケターは現役にこだわり続けることが大切」

  おやつカンパニーで取締役 専務執行役員 マーケティング本部長を務めていた髙口裕之氏が8月1日、うどんチェーン「はなまるうどん」を展開するはなまるのチーフマーケティングオフィサー(CMO)に就任した。Mizkanやおやつカンパニーなど数々の会社で活躍してきた髙口氏は、なぜ新たな舞台としてはなまるを選んだのか。転職を決めた背景からマーケターとして大切にしている考え方、今後の展望まで詳しく話を聞いた。
 
はなまる チーフマーケティングオフィサー(CMO)
髙口 裕之 氏

法政大経営学部/グロービス経営大学院卒業。1992年にMizkan(ミツカン)に入社し営業を経て、みりんやたれカテゴリーのブランドマネージャーなどを歴任し、食酢カテゴリーのマーケティングを統括。食品マーケティングコンサルタントなどを経て、日系PEファンド投資先のフードレーベルセールス 代表取締役社長に就任し、投資回収に成功。その後、米系PEファンド投資先であったおやつカンパニーに入社し、マーケティング組織の構築、新ブランドの立ち上げなど同社の発展に貢献。2023年8月からはなまるに入社し、チーフマーケティングオフィサー(CMO)に就任。
 

ひとりのマーケターとして、新しい課題に向き合いたい


――7月末で、おやつカンパニーを退職され、はなまるにCMOとして入社されました。今回、転職を決意した理由を教えてください。

 今回、私が転職を決意した理由は、3つあります。ひとつ目は、はなまるから依頼された役割を魅力的に感じたことです。現在、はなまるにはマーケティング組織がないため、ゼロから戦略を構築し、実行できるようにしてほしいとお話をいただきました。

 2つ目は、おやつカンパニーでのミッションであったマーケティング組織の構築にめどがたったからです。正直なところ、まだ100点満点とは言えませんが、メンバーを育成し、マーケティングの仕組み化ができました。その結果、私がいなくてもマーケティングの企画立案から実行までができる組織になったと思います。

 3つ目は、ひとりのマーケターとして新しい課題に向き合いたいという気持ちが強くなったからです。長く同じ環境で働いていると、そのカテゴリーの市場環境を熟知することになり、自分自身のスキルが錆びていくような感覚になります。私は常にインプットしながら考え、仮説を立てて実行するほうが合っているので新しい挑戦をしたいと思いました。

 

「はなまるうどん」で業界トップレベルを目指す


――転職先として、はなまるを選んだ理由を教えてください。

 転職先を決めるにあたり、まずは業種と業界のマトリクスをつくりました。その上で、自分の強みを活かす上でも、経験のある業種として製造業、業界として食品業界のどちらかを条件として残そうと考えました。つまり、製造業ではあるものの食品以外の業界に行くか、食品業界ではあるものの、製造業ではない業種に行くのかという2択にしたわけです。

 また、今回の転職を機に、副業や兼業を始めるつもりでした。私はMizkanやおやつカンパニーなどメーカーでブランドマネージャーやCMO、PEファンド投資先食品メーカーなどで社長などを経験してきたこともあり、最近では特にデジタルマーケティングの支援会社から「今までの知見を貸してほしい」「どのような提案をしたらクライアントの役に立つのかアドバイスがほしい」と声をかけてもらっていました。

 これらの条件にフィットする企業がはなまるでした。また、私はその業界のトップシェアではなく、追いかける立場が好きです。「はなまるうどん」も、うどん業界のトップを目指していました。

 8月からは、はなまるでCMOとしてメインで働きながら、兼業として複数のデジタルマーケティング企業の社外取締役やアドバイザーも担っていきます。

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