TOP PLAYER INTERVIEW #44

スープストックトーキョー取締役に工藤萌氏が就任、「離乳食炎上」対応に関わり転職を決意

 

「社会インパクト」と「自分が取り組むべき社会課題」


―― 社会を意識するようになったのは、ユーグレナでの経験が大きかったのですね。

 はい、ユーグレナで経営に関わる中で、2つの問いについて考え続けてきました。それは「社会的なインパクトとは何か」と「自分が取り組むべき社会課題は何か」です。

 ひとつ目の「社会的なインパクト」とは社会的に大きな価値や意義のある事を実行することです。解決すべき社会課題が目の前にあり、それを解決できる能力を持っているのであれば、解決のためにできるだけ大きなインパクトを出すべきだと考えています。

 シンプルに規模を拡大してインパクトを出していく方法もあると思いますが、経済合理性の陰に手の届いていない課題があることも事実です。面ではなく、深く長い柱を集合させてインパクトを出していく方法もあるのではないかと考えるようになりました。そこで私は、ひとつの企業で深く長い柱を1本立てながらも、一方ではコンサルとして独立して複数の企業をサポートすることで、その柱の数を増やしていきたいと考えています。

 もうひとつの「自分が取り組むべき社会課題」については、特に女性の自己実現について後輩の悩みを聞いたり、プライベートでもつながりのあるヘラルボニーの松田崇弥さん(代表取締役社長 | CEO)と松田文登さん(代表取締役副社長 | COO)と議論したりする中で、「自分らしく生きるとは何か」を深く考え続けてきました。彼らは「個性」の再定義をしようと挑戦をしている尊敬する経営者です。

 そう考えている中でスープストックの炎上騒動が起こり、自分が考えていた課題をまさに突きつけられたような感じがしました。自分が向き合いたい社会課題はこれだと思ったのです。課題にわかりやすく名前を付けるなら、「DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)」です。

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