スープストックトーキョー取締役に工藤萌氏が就任、「離乳食炎上」対応に関わり転職を決意

 

社会の幸せの総量を増やしたい

――これまでの経験を踏まえて、工藤さんが今後ビジネスを行っていく上で重視したいと考えていることを教えてください。

 ひとつは、ブランドは徹底力に尽きるということを追求したいです。私たちがこれだけ取り組んだからお客さまに伝わっていると思っても、お客さまに伝わっていなかったら何の意味もありません。そのため、スープストックトーキョーの志を持って組織として一貫してやり切ることを大切にしたいです。そこまでしてようやく、私たちの志が便益としてお客さまに届くと考えています。

 もう1つは、人と組織です。企業活動は、一人ひとりの1分1秒の積み重ねで成り立っているので、一人ひとりが能力を発揮してやりがいを感じられることが非常に大切です。そのため、常にどうすればその人が夢中になれる環境をつくれるかを考えていきたいと思っています。

――最後に、スープストックでの今後の展望を教えてください。

 私は資生堂のときからずっと、社会の幸せの総量を増やしたいと思っています。誰かが幸せになった裏で誰かが犠牲になるのは嫌で、「総量」が大事です。スープストックトーキョーでは「世の中の体温をあげる」という企業理念のもと、スープや空間を通じて心の体温を上げられるような場を提供し、温かい社会をつくり、幸せの総量を増やせたと感じられるような仕事に取り組んでいきたいですね。そのためには、事業成長、事業創出はもちろんのこと、組織作りと両輪で取り組んでいきたいです。

一方で、個人としては、「安心のロールモデル」になりたいと思っています。女性活躍社会はまだまだ途上ですし、キャリアとライフステージの両立は本当に難題が多いので、「ケース１」のような感じで、「こんな人でもできるなら、自分にもできるかも」と思えるような安心材料の一つになりたいと思っています。

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