Agenda note注目のスタートアップ連載 #02

排泄予測デバイス「DFree」世界5億人が抱える問題に挑み、2年で売上10倍の急成長【トリプル・ダブリュー・ジャパン 代表 中西敦士氏】

前回の記事:
日本人の2人に1人ががんで亡くなる時代。革新的な検査サービスをどう普及させるのか?【セルクラウド 代表 中島謙一郎氏】
 Agenda note が注目するスタートアップ企業の戦略や狙いに迫る連載。企業を取り巻く環境が激変する昨今、変化への対応がビジネスを成長させる上で重要になる。急成長するスタートアップ企業は、そうした変化を敏感に察知し、迅速に行動することで大企業や競合企業との競争を勝ち抜いている。そこで本連載では、注目のスタートアップ企業の経営者にインタビューし、そのポイントを探っていく。

 第2回は、排泄を予測するウェアラブル機器「DFree(ディーフリー)」を提供するトリプル・ダブリュー・ジャパン代表取締役の中西敦士氏が登場。同氏は大学卒業後、ヘルスケア分野を含めた新規事業立ち上げのコンサルティング業務に4年間従事した後、米国留学などを経て、2015年にトリプル・ダブリュー・ジャパンを設立した。

 米国留学中に自身が排泄物を漏らした経験をきっかけに「DFree」を開発。介護問題を抱える世界50カ国以上から注目を浴び、世界規模で事業展開を進めている。今回は、中西氏に起業や開発するに至った経緯、社会課題である排泄の問題と今後の展望などを聞いた。
 

世界の約5億人もが悩みを抱える失禁問題


――排泄予測デバイスの事業をスタートした経緯について教えてください。
 
トリプル・ダブリュー・ジャパン 代表取締役
中西 敦士 氏

慶應義塾大学商学部卒。大手企業向けのヘルスケアを含む新規事業立ち上げのコンサルティング業務に従事。その後、青年海外協力隊でフィリピンに派遣。2013年よりUC Berkeleyに留学し、2014年に米国にてTriple Wを設立。2015年に当社設立。著書:「10分後にうんこが出ます-排泄予知デバイス開発物語-」 2016年・新潮社

 DFree開発のきっかけは、米国留学中にものすごい辛いものを食べたことで排泄物を漏らしてしまった私自身の経験です。やっぱり漏らしたくないと思いましたし、そもそも事前に知ることができれば、漏らしていなかっただろうと思いました。

 当時は留学を終える前に4カ月ほど、シリコンバレーのベンチャーキャピタルでインターンシップをしていたときでした。新規事業のアイデアを20個程度考えてベンチャーキャピタリストに対してプレゼンテーションしたところ、「排泄予測ビジネスはおもしろい」と言ってもらいました。それがトリプル・ダブリュー・ジャパンを起業するきっかけです。

 排泄予測デバイス「DFree」は、超音波センサーを使ったウェアラブルデバイスで、本体をおなかに貼ると超音波センサーが膀胱にたまった尿の量をとらえて、スマートデバイスにトイレのタイミングを事前に知らせてくれて失禁を防ぎます。
  
DFree HomeCare(画像提供/トリプル・ダブリュー・ジャパン)

DFree HomeCareと、専用お知らせ機器(画像提供/トリプル・ダブリュー・ジャパン)

 現在、世界には失禁に悩んでいる人が約5億人います。その人々は基本、紙おむつやパッドを使ったり、薬を飲んだり、なかには手術をする人もいます。そういった世の中にある排泄問題を少しでも解決したいという思いから、排泄のタイミングを知らせるデバイスをつくろうと事業をスタートしました。

 起業当初、資金調達のためにクラウドファンディングにチャレンジしたところ、介護事業者からの反響が予想以上に大きかったです。しかも、日本だけではなく世界50カ国以上から、「こういうプロダクトを待っていた」という問い合わせが殺到しました。世の中のためにもこの問題を解決しないといけないなと思いました。

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