Agenda note注目のスタートアップ連載 #02

排泄予測デバイス「DFree」世界5億人が抱える問題に挑み、2年で売上10倍の急成長【トリプル・ダブリュー・ジャパン 代表 中西敦士氏】

 

人生で初めてトイレで排泄できた


――排泄予測デバイスDFreeは、どのような施設で使われているのでしょうか。

 まずは、病院や介護施設などです。介護の現場では、排泄ケア業務に負担を感じている職員がおり、高齢者にとってもQOL(生活の質)の低下や転倒のリスクが高まるため、トイレでの排泄を可能な中でサポートすることが極めて重要です。

 現代社会では、自分でトイレに行くことができない高齢者は紙おむつを使えばいいと思われがちですが、一度それに頼ってしまうとそこから脱却するのは難しいことがわかっています。

 排泄のタイミングは本人でも曖昧になっていることもあり、介護職員が高齢者をトイレに連れて行ってもそのタイミングが外れてしまうケースが非常に多くありました。このような課題を解決すべく、病院や介護施設などでDFreeを使っていただいています。



 次に、在宅介護です。たとえば身体に麻痺がありトイレの近くでないと生活ができないような人も、DFreeがあると安心して行動範囲を広げることができます。また、尿漏れで悩んでいる人から「数年ぶりにトイレでの排尿に成功しました」、障害を持っている子どもから「人生で初めてトイレで排尿することができました」といった喜びの声をいただいています。

 最終的におむつに頼ることは必要ですが、一方でおむつをできるだけ使わない自立排泄の支援も非常に重要です。我々はビジョンに「バイタルテクノロジーで“Live your life”を実現する」を掲げ、おむつを使わずに生き生きと過ごし、生きる意欲を維持、そして向上させるような取り組みを広げていきたいと思っています。

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