Agenda note注目のスタートアップ連載 #02

排泄予測デバイス「DFree」世界5億人が抱える問題に挑み、2年で売上10倍の急成長【トリプル・ダブリュー・ジャパン 代表 中西敦士氏】

 

11年ぶりに介護保険適用の対象に認定


――DFreeの競合はどこになるのでしょうか。

 おむつの交換を知らせする機器は存在するのですが、DFreeはその手前である排泄を予測するプロダクトです。利用者ができるだけ失禁しないようにするマーケットを狙っており、現状、競合製品はないと考えています。

――スタートアップ企業では、事業の立ち上げから話題になることが重要かと思います。どのように認知を獲得しているのでしょうか。

 PR活動に注力しているわけではありませんが、取材やテレビ番組などで取り上げていただき、認知を獲得しています。私が留学中に漏らしたというストーリーから、DFreeのプロダクトに結びついていることはキャッチーだと思っています。

 それから「排泄予測支援機器」として2022年4月から、特定福祉用具に認定されて介護保険の適用対象になり、さらに認知が広がりました。その影響もあり、2023年3月17日に、前澤友作氏及び金融機関などから総額10億円の資金調達を実施できました。
  
前澤友作氏(左)と中西敦士氏(右)

 介護保険が始まって今年で23年になりますが、保険適用として新しい用品が認められたのが11年ぶり2品目だそうです。2022年の売上は2020年と比較して約10倍に増加し、どんどんと実績が増えていることも注目してもらっている要因のひとつだと思います。

 介護認定された人は保険適用によって自己負担1~3割で購入できます。さまざまな調査からニーズがあることは十分把握できていますが、まだまだ知られていないため、ネットメディアをあまり見ないような層に対して情報を届けていきたいです。

 日本では最大4800万人が排泄に悩んでいると言われています。それが介護状態なのか、頻尿なのか、悩みの深さは人それぞれですが、介護が必要な人はおよそ700万人、そのうち在宅介護は500万人にも上ります。我々にとって今後の課題は、個人向けのDFreeをそのような人々にいかに認知してもらうかです。
  

 クラウドファンディングをスタートする前に取り上げていただいたWebメディア『週刊アスキー』の記事です。アクセス数も非常に多かったことと、多言語に翻訳されたことで世界中に広まりましたね。我々が意識して仕掛けたわけではありませんが、いまでも「中西 うんこ」で検索するとたくさんの記事が出てきます(笑)。

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